たろうvs達也、お互いを知り尽くした戦いの行方は!? RTDリーグ2018 WHITE DIVISION 41-42回戦、BLACK DIVISION37-38回戦レポート

6/11(月)および6/14(木)21:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDリーグ2018 WHITE DIVISION 41-42回戦およびBLACK DIVISION37-38回戦の様子をお届けします。

レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。


▼▼▼WHITE 42回戦:たろうvs達也、お互いを知り尽くした戦いの行方は!?▼▼▼

第7節の最終戦直前、隣に座っていた首位のたろうが立ち上がって私に言った。

たろう「また厚かましくいってやりますよ」

なるほど、さすがに自分の麻雀を良く知っているなと感じる。

「厚かましい」というのはたろうの麻雀を的確に表す言葉だろう。


さて、この「ミスター厚かましい」を迎え撃つのは、ようやくエンジンがかかり、本来の思い切った打牌が見られるようになった達也。

たろうと達也、奇しくも同姓のダブル鈴木は、10年以上に渡ってプロ協会の頂点で戦い続けてきた。

それゆえ、お互いの手の内を知り尽くした仲でもある。

まず、先制攻撃を入れたのは達也。

達也は、オヤ番で和久津のリーチを受けると、うまく回ってテンパイを入れる。

3sか6sを切ればテンパイであり、和久津の捨て牌に9sがないため、通常は打3sとする局面。2sが早く切られていることもあり、3sは3s6sにしか当たらないが、6sは6s9sにも当たるからだ。

打点効率も考えると、3s切りリーチが現代のマジョリティだろうか。

しかし、達也の選択は逆×逆。

すなわち、「6s切り」で「ダマテン」である。

6pにそれほど自信がないため、達也のフォームはダマテン。ダマテンにするのなら、345三色への手替わりがある方が勝負手になる可能性を高められるというわけだ。

通っている牌種がさほど多くないのも打6sを後押しする。

結果、すぐに6pをツモって2,000オールとするのだが、達也らしい大胆な選択に胸が躍った。

一方のたろうはというと、厚かましさ全開の仕掛け。

この手牌、たろうの目からはおそらくこう見えている。

「ホンロウトイトイ三色同刻」

なんという厚かましさだろうか。

しかし、実際には4mがポンできてしまい、若干がっかりしながら打1m。

ここで打1mとして三色を見切るのが面白い。

ここから三色に仕上げる場合、三色への警戒網の中、1mが重なった後に1mと1pを両方コーツにするという離れ業が必要になる。

それならば、トイツになった後にそれをポンするだけで1翻増しの發を残した方が有利であるし、守備力を考えても得という合理的な判断だ。

すると、たろうが1pをポンした後、達也がここからノータイムで生牌の發を打ち出す。

「たろうちゃん、どうせまた『そういう』仕掛けなんでしょ?」

そんな達也の声が聞こえてきそうだ。

2人がじゃれている様子を見ていると、なんだか微笑ましくてにやけてしまった。

結果、押した達也がダマテンで和久津の3pを捕まえて5,200。

これでトップの地盤を固めていく。

すると、次局、和久津がこの2フーロ。

これに対し、押していたたろうの手が止まった。

点数状況的に、和久津にドラがあると読んだたろうが、和久津のアタリ牌3mを掴むと、少考して1pを打つ。

ここで達也に一考。

「たろうちゃん回ったんだあ」と確認したためか、ここでツモ切りリーチに踏み切った。

ここは達也が和久津に1,000の放銃となったが、何やら2人の間に独特の時間が流れているように見え、ついつい見入ってしまう。

そして、達也トップ目のままオーラスを迎えると、オヤのたろうが果敢に3フーロ。

どんな仕掛けかと思えば・・・

なんと、形テンのイーシャンテンである。

結局、これはノーテンで流局となるのだが、控室に戻ってきたたろうのコメントが面白い。

たろう「やっぱりカン7pは鳴かない方がいいよね、先が長いし。でも、7pが3枚目だから、これを鳴かないで8pで放銃したりしたらかっこ悪いなとか思っちゃったんだよね」

こういう捨て身の攻撃でもきっちり反省していくところが、別次元の厚かましさを支えているのだろう。

そして、達也は「一見早そうだから、遅いと思ったよ」と、たろうの厚かましさを理解したコメントを残した。


▼▼▼WHITE 41回戦:ためて一閃!猿川の超反撃▼▼▼

勝又の5巡目リーチに対し、回りに回って終盤にテンパイを入れた猿川は、ダマテンでもマンガン確定なのだがリーチに踏み切った。

これを安目ながら勝又から一発で捉えて12,000。

粘って得た反撃のチャンスを最大限に活かし切った。

すると、佐々木とのトップ争いでオーラスを迎える。

まず先行したのは佐々木。

南をポンしてイーシャンテンになると、目一杯の打7mではなく打6sとした。

佐々木「これはカン3pに感触がなかったんで、7mからターツを作って振り替えたいなと。カン8mチーとかが最高だと思ってました」

懐の深い打牌を見せた佐々木だったが、次巡に5sを引いてカン3pテンパイになってしまう。

そして・・・

「シャンポンに受け替えられる2pを引いたときには4pを打てる巡目ではなかった」と語る佐々木は、2pをツモ切らざるを得ない。

また、5巡目に2mをポンして単騎にしていく手もあったのだが、そこまでするほどではないという判断だったか。

佐々木がもたついている間に追いついたのは猿川。

9p単騎から、オヤ平賀の現物8s単騎に受け替えると、平賀のリーチ後に勝又から出アガリ。

猿川が粘ってトップをもぎ取り、準決勝進出ラインの4位達也に食らいついて残り2節とした。


▼▼▼BLACK 37、38回戦:歓喜の瀬戸熊!村上のらしからぬアガリ逃し!?▼▼▼

大接戦となった37回戦、オーラスを迎えて三つ巴だったが、瀬戸熊がツモってトップを決めた。

このトップは非常に大きい。瀬戸熊にとっては、これでペナルティ圏内の7位を気にしなくてよくなったからである。

その大きさは、瀬戸熊のホッとした笑顔からもうかがえた。


一方、惜しいところでトップを取り逃がした村上は、控室に戻るなりつぶやく。

村上「メンホンチートイ、アガれてたかなあ・・・」

南3局、村上はこの配牌で北から打ち出す。

観ていた多井も「意外だった」とコメントしているように、確かに門前で進めてもあまり価値がなさそうなこういった手牌では、大胆に4m5m辺りから切り出していく印象がある。

とはいえ、かなり接戦の点数状況であり、アガリやテンパイの価値が高いため、この北切り辺りまでは理解できる。

しかし、遅くとも5巡目のこの手牌からは、気持ちよく4m5mを打っている印象だ。

これで、結果的にホンイツチートイツのアガリを逃した格好である。

連戦となる村上がこれを引きずらなければいいなと思っていると、続く38回戦で半荘を決定づけそうな選択が訪れる。

通常、打2mか打4mになるのだろうが、村上の選択は打4p。

下家で仕掛けている多井に対し、マンズを切らずに受けの手順を見せた。

これは、受けてリーチで反撃する村上らしい手順ではないだろうか。

結果、高目ツモウラ2で倍満に仕上げ、白鳥を追い上げることに成功する。

オーラスもアガり切って白鳥を逆転し、かなり遠ざかっていたトップを奪取した。

これで村上が最下位を脱出し、内川・松本にプレッシャーをかける形となっている。


鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)


■次回6/18(月)21:00からBLACK DIVISION 39-40回戦をAbemaTV 麻雀チャンネルにて放送予定

藤田晋 invitational RTDリーグ

トッププロを招聘した長期リーグ戦「藤田晋 invitational RTDリーグ」。BLACK・WHITEの2リーグ戦を経て、準決勝・決勝にて年間チャンピオンを決定。AbemaTV麻雀チャンネルにて独占放送中のオリジナル番組です。

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