「RTDリーグは40代以下の日本最高峰リーグ。選手には出ている理由が必ずある」 平賀聡彦、RTDリーグ2017優勝記念インタビュー 第1回(全4回)
AbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDリーグ2017にて、見事優勝した平賀聡彦選手(最高位戦日本プロ麻雀協会)にお話を伺いました。
レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。
「新宿の串揚げ屋に19:30ぐらいになんとなく集合しましょうか」
今年度、不本意にも遅刻で有名になってしまった平賀と、こんな緩い約束をした私だが、意外にも私は平賀の遅刻に遭遇したことがない。
私が先に店に到着すると、平賀もきっちり19時25分に店に到着。
心を入れ替えたのもあるのだろうが、ほらね、やっぱり来るでしょ?
集合時間の5分前だ。
「社会人なんだから当然でしょ」とでも言い出しそうな自信に満ちた顔に、少しイラっとする。
その顔は、14年前、私が初めて平賀と出会ったときと変わりはない。
大人なのに無邪気。
思ったことをストレートに言う。
なぜか憎めない。
私が最高位戦日本プロ麻雀協会に入会したとき、ちょうど同期で入会したのが平賀だった。
その後、選手として活躍した平賀と、ほぼ観戦記者に専念した私が、14年経った今、ようやく交われたことを非常にうれしく思っている。
平賀の方が私より10歳上なのだが、こういう背景から2人で話すときには大体敬語を使わない。
【平賀といえば自由!食べ物も好きなものだけ食べる】
さて、平賀についてまず紹介しなければならないのは、ものすごく偏食ということだ。
基本的に、野菜は全般的に食べられない。魚介の好き嫌いもある。
今回のインタビュー場所を串揚げ屋にしたのも、平賀への配慮。
串揚げなら、好きなものだけ注文できるというわけだ。
平賀が注文すると、こうなる。
― 平賀さん、野菜は何にも食べられないんだっけ?
平賀 「いや、芋だけは食べられるよ!( ̄▽ ̄)」
あとは肉を主体に少しの魚介類。
最初から串揚げど真ん中の真っ向勝負だ。
何とも無邪気な注文票である。
【おれと多井さんと達也さんは準決勝行くと思ってたよ】
さて、一通り箸を進めたところで、早速こんな質問をしてみた。
― 今回初出場だったわけだけど、予選開始前に意識した人っている?
平賀 「変に意識した人とかはいないけど、BLACK DIVISIONから、おれと多井さんと達也さんは準決勝行くんだろうなって、なんとなく思ってたよ」
― まあ、自分が勝つイメージを持つのは当然として、やっぱり多井さんと達也さんは実力上位って感じてたんだ?
平賀 「そうだね。長年こういう勝負をしてきた2人だからね、やっぱり強いと思ってる。勝つと思ってたんだけど、2人とも予選で負けたのは意外だった」
達也は前半からの不調を立て直せず、多井は最終日に猿川との競りに負けて予選敗退となった。
平賀 「最終日、多井さんはメンタル弱かったね。前年度のチャンピオンっていう重圧も大きかったと思うよ。前年度のチャンピオンが予選で負けたらかっこ悪いっていう意識あるはずだからね、やっぱ。観てて、絶対負けられないっていう重圧に負けた感じがした」
― なるほどね。逆に、多井さんほどのプレイヤーにそこまでプレッシャー感じさせちゃうRTDリーグってすごいね。まだ放送始まって2年なのに。
平賀 「そうだね、すごいと思うよ。多井さんのプレッシャーもわかるしね」
― 平賀さんにとって、RTDリーグってどんな大会だった?
平賀 「強い人が集まるリーグには間違いないと思ってたんだけど、参加前は『RTDとはいえ、やっぱり穴もどこかにあるんじゃないか』と思ってたんだよね。だけど、1年戦ってみて、出てる人には出てるだけの理由があるのがわかった。本当に穴がなかった。40代以下の日本最高峰リーグだと思ってるよ」
― やっぱそう思うんだね。
平賀 「うん。ほんとにそう思う。だから、当然出続けたいね。長期戦だし、ガチ感がかなりあるよね。27半荘あれば、けっこう差が出ると思うし。ほんと、出続けられるようにがんばるよ」
【予選で強いなと思ったのは藤田さん】
― じゃー、予選で実際に打ってみて、イメージと違う人とかっていた?こんなに強いのか?と思った人とかでもいいんだけど・・・
平賀 「藤田さんだね。強いと思った」
これは興味深い。
実は、昨年度の優勝インタビューでも、多井が真っ先に名前を挙げたのは藤田だった。
平賀 「藤田さんは、まず勝負どころを読む力が強いね。勝負どころを絶対に逃さずに深く踏み込んでくる。あと、空気感で読んでくるのは全選手の中で一番鋭い。『テンパってないな』と感じたらきっちり押してくるし、強いなと思ったよ」
― へえ。平賀さんもよく「ムード的にアガれなさそうじゃん」とか言ってたよね。それって空気感を読んでるってことなの?
平賀 「ムード?言ってたっけ?そんなこと(笑)」
― 言ってたよ。昔、「みんな二言目には『流れ』『流れ』ってうるさいよね。流れはないけどムードはあるから!」って(笑)
平賀 「そうだっけ?( ̄▽ ̄;) それ、今は『ノリ』って言葉を使ってるよ!」
― そうなんだ。まあ、どっちでもいいけど(笑)
自身も空気感読みを大事にしている平賀に、その観点からはっきりと「強い」と言わせる前年度準優勝・藤田は、やはりタダモノではない。
今年度は惜しくも両DIVISIONで予選敗退となってしまったが、必ずや来年度以降に復活してくることだろう。
― そんな猛者ばかりの予選を勝ち抜いて、準決勝に勝ち進んだわけだけど、準決勝って、最後勝又さんと競りになったよね。あのときどんなこと考えてたの?
独特の感覚を持っている平賀。準決勝、決勝で平賀に見えていた景色とはどのようなものだったのだろうか。
第2回へ続く
鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)
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