村上・瀬戸熊の、強さを支える地味な一打! RTDリーグ2017 WHITE DIVISION 第8節 43、44回戦レポート
6/26(月)21:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDリーグWHITE DIVISION 第8節 43、44回戦の様子をお届けします。
レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。
前回終了時のポイントはこちら↓
43回戦、東1局から勝又のドラ待ちチートイツ、小林のタンヤオ仕掛けテンパイが入ったが、これをかいくぐって村上が2600オールで先制する。
一時は200ポイント近く持っていた村上だが、現在マイナスにまで落ちてきてしまった。村上の出番はこの半荘を入れて残り6回戦。ここでトップを取って、後がない状況に陥らないようにしておきたいところ。
すると、続く1本場で村上に妙手が出る。
瞬間の効率だけを見るなら打4mだが、4mからの好形変化や万が一の456三色も気になるところ。
村上の選択は打2s。
9pの3枚切れからピンズのイッツーを見切り、ピンフになるペンチャン受けだけ残して打2sとし、4mへのくっつきも残した。
村上のこういった手順は昨年までも多々あったのだが、その多くは「アンパイの確保」という守備意識を持ってのものだった。
そのため、ここでも中盤に差し掛かってアンパイを引いたら4mを切るのかなと思っていた。
そして、その予想通り9巡目のツモ北。
2枚切れの北で、絶好の安全牌なのだが、村上がこれをノータイムでツモ切ったのには少し驚いた。
今までなら、わりと4m(もしくは2s)を切っていた印象があったからだ。
これはどういうことか。
そもそも今シーズンに臨むにあたり、村上はアンパイを持つ回数を少なくしている。
それに加えて、この河情報。
特段早そうなプレイヤーがおらず、もっとも濃い数牌が切られ始めた石橋の安全牌としては8pのトイツがあるため十分である。
そこで、目をつぶってグレーな闇(漆黒というほどではない)に飛び込む覚悟で打北、というわけだ。
この打北は、村上にとってはけっこうな勝負打牌なのである。
そして、うまく3sの方から入って一発ツモ。
結果は変わらないのだが、河に並んだ北と4mの順番。
この順番を作り上げるために、相当な練習量を積んできたであろうことが見て取れる。
続く2本場でも得意のリーチで、石橋の宣言牌を捉えて7700。
東1局で勝負を決めた村上が、逃げ切りトップを決め、トータルをプラスに戻した。
続く44回戦では、瀬戸熊の、地味にも瀬戸熊らしい一打を紹介しよう。
藤田の早いリーチを受けて、オヤ番でこのイーシャンテン。2mを通したため、マンズはほぼ安全で、6sも今通ったところ。
安全にいくなら打6sかもしれないが、オヤ番ということを考慮すると、少し押し気味に7p辺りを切りたくなってしまう。
一方、瀬戸熊は打6s。
「やりすぎない」が信条の瀬戸熊は、やはり6sを抜いた。
アンパイが豊富にできたこの手牌で、イーシャンテンから無スジの7pを打つのはやりすぎということだろう。
すると、ソウズ模様の下家たろうに6sを4s5sでチーされた後にテンパイ。
愚形ながら、今度はテンパイである。
打点的にもオヤでリーチドラ1ならば、リーチで勝負をかけたくなるところ。
しかし、私は、瀬戸熊ならそう打つだろうなと見ていた。
瀬戸熊の選択は打7pのダマテン。
これである。
役なしの無スジプッシュ。
これで幾度となく他家の手をつぶすところを見てきた。
今回はアガリにはつながらなかったが、オヤのドラ1テンパイでもダマテンで「謙虚に押せる強さ」が、瀬戸熊を支えていると思うのである。
決め手が出ないまま南入すると、瀬戸熊が2枚目の發をポンしてこのテンパイ。
ここからすぐに中をポンして1枚ずつ切れているシャンポンに受ける。
すると、これをすぐさまツモって2000・4000。
一撃でトップをまくってしまう。
続く南2局では、ここからダマテン。
タンピンドラ1なのだが、ドラまたぎで、マンズが場に高い。
他の待ちにも変えることができるため、ここでリーチをかけるのはやりすぎということなのだろう。
しかし、たろうからリーチが入ると、ツモ切りで追いかけリーチを敢行。
もう5mは切れないし、めくりあいなら勝負になる。
これをツモって瀬戸熊がトップを決めた。
ついに、最後の2日間が幕を開けた。
4位に滑り込み、準決勝進出を果たすのは誰なのか。
残すはラスト10回戦!
鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)
■次回6/29(木)21:00からWHITE DIVISION 第8節45、46回戦をAbemaTV 麻雀チャンネルにて放送予定
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