村上の遠い仕掛けと小林の珍しい失策! RTDリーグ2017 WHITE DIVISION 第8節 45、46回戦レポート
6/30(木)21:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDリーグWHITE DIVISION 第8節 45、46回戦の様子をお届けします。
レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。
前回終了時のポイントはこちら↓
村上は、昨シーズンの準決勝で敗退し、決勝の解説を担当した。
決勝は、6連勝を含む多井の圧勝で幕を閉じたのだが、その決勝後、村上は観戦記者として同行していた私に対して言った。
「決勝の多井さんを観て、(門前重視の)自分がいかにサボっていたかがわかった。もっとできることがあるわ」
ここから、村上の進化が始まった。
「アンパイを過度に持たない」という変化は以前から伝えてきたが、あともう1つの大きな変化は「仕掛けの増加」だ。
4000オールで先制した村上は、2本場で白と中を1枚目から仕掛け始めた。
2つしかけてリャンシャンテン。
実に遠い仕掛けである。
しかし、村上にこれをされると、思いのほか他家はきつい。
打点が低めの小林が仕掛けたのとはわけが違うのだ。
高打点志向の村上が仕掛けた。
その多くは、高いはずである。
まれに高くないのであれば、すごく早いかだ。
そうなると、他家は村上の仕掛けに対応せざるをえなくなるというわけである。
2本場と供託があること、打点も5800以上見えることが村上の背中を押したとは思うが、こういう手牌を1枚目から自然に仕掛けていくことが増えたのが、昨年までの村上と違う点である。
そして、他家に対応させて手を崩させると、終盤にようやくテンパイ。
1人テンパイでテンパイ料を得つつ、オヤ権を維持した。
周りに対応させて局面を長引かせ、テンパイ料やオヤ権維持を含めた加点を狙う。
村上のそんな仕掛けに、多井を想起した。
こういった遠い仕掛けがあると、勝負手の仕掛けで他家のピントをズラすことができる。
ドラアンコのタンヤオで、2pを3p4pでチーした場面。
これまでの村上ならば、こんな両面チーは超警戒である。
しかし、今年の村上では、バリエーションが多くて打点を絞り切れない(例えば、早いタンヤオのみもある)。また、トップ目という点数状況的にも、打点のバリエーションは広い。
すぐにテンパイを果たすと、たろうの2mを捉えて8000。
ダメ押しを決めた。
村上が、勝負どころの2~4位対決を仕掛けて制している。
続く46回戦では、首位を快走する小林が好調をキープ。
勝又に先制を許したが、勝又のリーチに追いかけると、一発で打ち取り、一撃でトップを逆転。
すると、南入してもマンガンツモで独走かと思われたが、ここに襲い掛かったのは藤田。
南2局藤田のオヤ番が始まったときには2万点ほど離れていたのだが、連荘で徐々に小林を追い詰め、ついに藤田が小林に並びかけた。
すると、藤田が2p4pで3pをチーして打5pテンパイ。
4p5pでチーして前巡に通っている2pを切ることもできたはずなのだが、2p4pでチーして危険な5pを切る理由は、ほぼ234の三色であろう。
ならば、3mをチーしていないので、本命は2m5m、抑えで一応2s5sというところか。
しかし、この仕掛けを受けて小林が打った牌に驚いた。
ダブ南ドラ1で打点は十分なのだが、三色に引きずられ、アンパイの8mではなく5mを打ってしまう。
2900は4100の直撃で、藤田が小林をまくった。
本人も語ったが、これは小林らしからぬ珍しい失策である。
その後、オヤ番でこの6000オールが入ったのでトップとなったが、小林も苦笑いしながら反省の弁を述べた。
正確無比な小林の人間らしいミスに、なぜか少しほっこりしてしまったのは私だけではないはず。
あと8回戦を残し、首位をがっちりキープで準決勝当確の小林に続き、上位対決を制した村上が有利なポジションに浮上している。
鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)
■次回7/3(月)21:00からWHITE DIVISION 第8節47、48回戦をAbemaTV 麻雀チャンネルにて放送予定
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