白鳥の繊細なリスク・リターンバランス! RTDリーグ2017 BLACK DIVISION 第5節 25、26回戦レポート
5/4(木)21:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDリーグBLACK DIVISION 第5節 25、26回戦の様子をお届けします。
レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。
24回戦終了時のポイントはこちら↓
25回戦、前節に大復活を遂げた平賀が、勢いそのままに、開局のオヤでリーチ。
打点・待ちともに十分なリーチだったのだが、このリーチに対して見事な対応を見せたのは首位の佐々木。
發を引いてテンパイを果たすと、無スジの7pを押してテンパイを組む。
しかし、佐々木にしては珍しく、リーチにはいかなかった。
4s7sが5枚見えているため、アガリ目が薄いとの判断だ。
このダマテン押しは、なかなかできるものではない。
一般的に、無スジを押すのであれば、待ちが薄くてもリーチしなければ見合わないと考えて無理矢理リーチにいくか、リーチでなければそもそも無スジを押す価値がないと考えて現物を切る選択になりがちだからだ。
7p切りのダマテンは、強い意志がなければできない選択なのである。
すると、これがピタリとはまる。
次巡に發を引くと、平賀と同じ6s9sにしてリーチ。
これを引き勝ち、2000・4000。
前述のとおり、勝負は7pを切ってダマテンにした時点でついていた。
首位佐々木が、さらにポイントを伸ばしている。
続く26回戦、先ほどの半荘でラスを引いて再度マイナスに転落した白鳥が、見事な判断を見せた。
東1局、滝沢のこの2m5mリーチを受けた白鳥は、イーシャンテンから生牌の東、無スジの1sを押していくが、ツモ5mで手を止める。
この5mは、超危険牌だ。
そして、この5mが通ったとして、6sもかなり危険牌だ。
ドラのないこの手牌では、超危険牌を最低でも2つ押すリスクには見合わない。
今通った5pのスジ8pトイツ落としで迂回していった。
しかし、5mを使い切ってテンパイを果たすと、残り2巡ながら、今度は6s切りリーチに踏み切る。
リターンの観点で先ほどと違うのは、自分の打点が8000以上確定となった点。
また、リスク面で、先ほどの「2枚以上押さなければならない」状況と違い、「1枚押すだけで確実にテンパイが組める」状況になっている。しかも、4s5sがそれぞれ3枚ずつ見え、6sの危険度が下がっている。
さらに、現物なのに打たれない2p5pは、ヤマに残っている公算が高い。
この条件が揃えば、リターンがリスクを上回るというのが白鳥の判断。
そして、この終盤でヤマに2枚生きていた2p5pを滝沢が一発で掴んで8000。
見事なリスクとリターンのバランス感覚で、白鳥が先制した。
すると、オヤ番では、先制リーチで平賀の追いかけリーチ宣言牌5mを打ち取り、12000。
これで他家を引き離したトップ目に立つと、南場の南家では6巡目に1枚目のダブ南をポン。
オヤ平賀の捨て牌が濃く、今にもリーチがかかりそうであるため、ここで5pか3sのどちらかを切って2枚切れの西を残す選択もあるが、白鳥の判断は打西。
平賀に対してはマンズ部分を切っていくことができるため、ここでは目一杯に構え、最速のアガリを目指したほうが得という決断である。
すると、3s、5mと引いて狙い通り平賀がくる前に決着。
影をも踏ませぬ逃げ足で平賀のオヤ番を消化すると、迎えた自身のオヤ番でも興味深いリスクの取り方を見せる。
同巡に出た1枚目の發は見送り、5pチーでのテンパイは取っていった。
この点数状況で「受け駒・發をポンしての1500は、低得点&必須ではない連荘という低リターンよりリスクが上回る」が、「受け駒・發を残せる1500テンパイなら、リスクが低く、低リターンに見合う」というわけである。
これは結局アガれなかったが、随所に繊細なリスク・リターン判断を見せた白鳥が、持ち前の安定感でトップ。
トータルもプラスに戻している。
鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)
■次回5/8(月)21:00からBLACK DIVISION 第5節27、28回戦をAbemaTV 麻雀チャンネルにて放送予定
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