「ても」「でも」ブレないトッププレイヤーたち! RTDリーグ2017 BLACK DIVISION 第5節 27、28回戦レポート
5/8(月)21:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDリーグBLACK DIVISION 第5節 27、28回戦の様子をお届けします。
レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。
26回戦終了時のポイントはこちら↓
27回戦、初日を大きくプラスで終えながらマイナスに沈んでいる滝沢が、開局のオヤ番で達也のドラポンに向かってリーチでぶつけると、4000オールで先制する。
すると、次局には多井が先制リーチ。
イーシャンテン時に安易に北を切らず、ズバリ北を重ねてのリーチである。
これに対し、追いかけたのは藤田。
すると、この2軒リーチに、オヤの滝沢がすっと2sを押す。
滝沢が2軒リーチに押したとあらば、当然の大物手テンパイである。
そして、9pを引くと、1枚切れずつのシャンポンに受け替えてリーチ。
3軒リーチに発展する。
滝沢の18000が決まると早くも半荘の趨勢が決まってしまうが、ここを制したのは枚数通りに藤田。
4mを引き勝つと、なんとウラ3で3000・6000。
一気にトップ目に立つ。
トップ目に立ったとき、二の矢、そして豪快な決め手を放つうまさを持っているのが藤田。
多井のこのリーチに対し、一発目で何切る?
ラス目のリーチに対するトップ目ということもあり、發でオリを選択するプレイヤーもいるかもしれない。
押すにしても、ドラ西トイツで打点十分のため、イーシャンテンに取って1pを切る選択もある。
しかし、藤田は最高打点を見てリャンシャンテン戻しの1mを打ち抜いた。
結果、多井に一発で3900放銃となるのだが、この放銃は強い。
ドラトイツで、現物が極端に少ない状況なら、確かに押しだ。
どうせ押すならMAX打点というわけである。
トップ目「でも」、ラス目のリーチに対し「ても」、リーチがなかったかのように真っすぐ攻め切れる打ち手、藤田。
そういう強い打ち手はなかなかいない。
現役最強との呼び声の高い多井などが、放送を観て震えるポイントは、案外藤田のこういう1m切りだったりするものである。
すると、迎えたオヤ番では藤田がダマテンの4000オールでトップを決めた。
28回戦では、4連勝中の佐々木が登場。
その佐々木がアンカンして4巡目にリーチ。手詰まりの猿川が放った3sにロンと発声すると、「何チャン待ちだよ」という他家の視線を集めながら、いつもながらのカンチャン待ちが披露される。
次局にも、ドラ表示牌シャンポンをリーチすると、2sで多井からアガって2600。
総合成績ダントツ「でも」、待ちが良くなく「ても」、ブレずにリーチをかけ続ける強さを、佐々木が体現していく。
すると、何とか佐々木に追いつこうと奮起したのは猿川。
多井のカン3m待ちオヤリーチの同巡、猿川にもテンパイが入る。
この6s9s、9sが3枚、6sが1枚切れており、非常に薄い。
しかし、トータルで200ほど沈んでおり、この半荘も3着目とあらば、強引にリーチをかけたくなるところではないだろうか。
そんな誘惑になど一切乗らず、猿川はダマテンを選択した。
すると、次巡に多井のアタリ牌3mを引いて7s切りリーチ。
前巡にリーチしていたら、ここで放銃になっていたわけである。
そして、放銃を回避した猿川は、逆に8s一発ツモを決めてみせた。
トータルで沈んでい「ても」、半荘の3着目「でも」、感触のない待ちでは焦らずリーチしない。
自由な攻撃感覚を持ちつつも、そういう忍耐を持ち合わせているのが猿川である。
しかし、そんな猿川の強固な忍耐をも軽々と吹き飛ばしてしまうのが今期の佐々木。
ダブ南ポンテンのホンイツを藤田からアガり、あっさり5連勝目を決めていった。
麻雀に「たら」「れば」は禁物とよく聞くが、逆に「ても」「でも」は強者の証。
トッププレーヤーたちの「ても」「でも」な選択に、ぜひ注目していただきたい。
鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)
■次回5/11(木)21:00からBLACK DIVISION 第5節29、30回戦をAbemaTV 麻雀チャンネルにて放送予定
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