土俵際内川の新境地! RTDリーグ2017 WHITE DIVISION 第5節 29、30回戦レポート

5/1(木)21:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDリーグWHITE DIVISION 第5節 29、30回戦の様子をお届けします。

レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。

28回戦終了時のポイントはこちら↓

29回戦、首位小林がオヤ番で気持ちよく先制リーチをかける。

また小林か・・・という空気を切り裂いたのは、後手で踏み込むリスクに見合う手牌を冷静に作り上げた勝又。

高目イッツーのリーチを小林から1sで打ち取ると、そのまま冷静にリードを保って2万点台のカラ~いトップ。

勝又がトータル4位をがっちりキープした。


続く30回戦では、ここまで最下位が定位置になってしまっている内川が登場。

石橋・瀬戸熊の2軒リーチに対して、先にテンパイしていたオヤの内川。

終盤、2人に無スジの5mをツモ切ってリーチを宣言したが、これが瀬戸熊に8000の放銃となってしまう。

それでも折れない内川は、次局にこの好配牌。

真っすぐに役牌から打ち出していくと、5巡目に選択。

ドラ引きリーチを想定し、ここで打7mとしてしまう打ち手もいるだろう。

しかし、この手材料では、タンヤオか好形のリーチを狙うのが本筋。

内川は、何事もなかったかのように9sをツモ切った。

すると、安全牌候補の西もツモ切って8sを残した後、7mが重なってリーチ。

このリーチ、9s先切りの後、西をツモ切ってから8s切りリーチのため、8sが関連牌に見える。

8sが関連牌ならば、8sがアンコのケース以外は、6sを持っている可能性が極めて高い、ということになる。

その前提で、3sを掴んだ瀬戸熊に視点を移そう。

自身が4sを3枚持っているため複合形は消え、6sを持っている前提だと、3sが当たるのは、4s5s6s6s、3s4s5s6s、2s4s6s6s辺りということになる。

4s5s6s6s、3s4s5s6sは自由に待ちを選べるため、わざわざその待ちでリーチしないだろう。

2s4s6s6sも、リーチするイメージは内川にない。

そして、そもそも4sアンコのワンチャンスである。

そんな思考で、「全く放銃すると思っていなかった」と言う瀬戸熊が、ほぼノータイムで3sをツモ切り、内川の12000が炸裂した。

タンヤオに固執したからこその8s引っ張りで、3s6s待ちの濃度を薄めるという副産物も導出する、見事な手順で内川が2着目に復活する。


すると、次局、内川が新境地を見せた。

東、中と序盤にポンすると、8pチーで3フーロのノーテン。

仕掛けだけを見ると、手牌の主が鈴木たろうに見えてくるが、これは紛れもなく内川の手牌なのである。

しかも、チーして切るのは字牌ではなく7pで、「ほらほら、ピンズが余っちゃいましたよー( ̄▽ ̄)」の演出付きだ。

この仕掛けは強い。

こんな仕掛けをするイメージのない内川にこれをやられると、周りは対応せざるを得なくなってしまう。

実際に、全員が真っすぐに進めることができなくなり、内川が場を制圧した状況となる。

そして、最終巡目で内川がようやくテンパイを果たし、1人テンパイで大きなテンパイ料3000点を得た。

これでトップ目のたろうに迫ると、たろうのオヤ番で先制リーチをかける。

すると、瀬戸熊から追いかけリーチで2軒リーチとなった。

2軒リーチに挟まれたのは石橋。

瀬戸熊のスジで、内川の第1打7mを見て、ノータイムの8mアンコ落としにいく。

なんと、これが内川の8000に放銃となるのだから驚きだ。

実は1巡目、内川はこんなところから7mをツモ切りしていた。

好配牌に溺れて手拍子で2mを切ってしまいそうだが、内川は冷静に7mをツモ切り、シャンポン先引きの効率より、5m8m待ちになったときの出アガリ効率を取りにいったのである。

この8000でトップを逆転すると、オーラスのアガリ競争にも競り勝ってトップ。

ここまで今一つ牌勢に恵まれなかった内川が、ようやく訪れた好機にも溺れず、冷静に打ち切って反撃の狼煙を上げた。


鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)


■次回5/4(木)21:00からBLACK DIVISION 第5節25、26回戦をAbemaTV 麻雀チャンネルにて放送予定


藤田晋 invitational RTDリーグ

トッププロを招聘した長期リーグ戦「藤田晋 invitational RTDリーグ」。BLACK・WHITEの2リーグ戦を経て、準決勝・決勝にて年間チャンピオンを決定。AbemaTV麻雀チャンネルにて独占放送中のオリジナル番組です。

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