とにかくオリたくない鈴木たろう! RTDリーグ2017 WHITE DIVISION 第5節 25、26回戦レポート

4/24(月)21:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDリーグWHITE DIVISION 第5節 25、26回戦の様子をお届けします。

レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。

24回戦終了時のポイントはこちら↓

麻雀のタイトル戦で長きにわたって好成績を収める鈴木たろう。

その麻雀の中心にある感情はといえば、「オリたくない」である。

オリてしまうと、その局は最大限にうまくいってプラスマイナス0で、多くの場合には失点を伴う。

すなわち、期待値が必ずマイナスになるのである。

だから、とにかくオリたくない。

それがたろうの中心にある。


では、どうすればオリずに済むのだろうか。

放銃のリスクに見合う、価値の高い手牌を組み上げればよいのである。

価値の高い手牌とは、基本的には高打点の手牌だ。

25回戦では、高目三色のリーチをかけると、安目ながら一発ツモウラ2で3000・6000。

さらに、オヤ番ではドラ単騎をリーチツモで4000オール。

得意の高打点でトップを決めた。


すると、26回戦でもたろうらしい選択。

ここから中や白を打ち出すプレイヤーもいると思うが、手牌の主がたろうなら、ほぼ1p切りになる。

たろうの描く最終形とは、役牌を重ねたホンイツやトイトイだ。

中と白を重ねたたろうは、1sポンから仕掛け始め、中ポン打9mで当然のテンパイ取らず。

終盤に5sを引いてテンパイを果たす。

ここはアガれなかったが、相手をけん制しつつ、オリずに済む高打点の手組をしていたおかげで、テンパイ料の獲得に成功する。


東3局ではこの仕掛け。

この手牌を高打点にするには、ドラを使ったルートしかないため、2枚目の1mはポンして1メンツ確定させておいたほうがいいという判断である。

すると、すぐにドラが重なり、勝負手に早変わり。

ここに、村上からドラ単騎のリーチが入るも、直後にテンパイを果たしたたろうは最後まで押し切り、アガリには届かなかったものの、ここでもテンパイ料を獲得した。


高打点だけが価値ある手牌かといえば、そういうわけでもない。

オヤ番では、ここから2mポンで2900東バックのイーシャンテンに構える。

2本場と供託1000点があるため、アガリやすい手牌の価値が上がっているというわけだ。

また、役牌バックはどうしてもオリざるを得ない状況になったときにオリやすく、総合的にリスクも抑えることができるのである。

この辺りのバランス感覚が、たろうの武器。

そして、タンヤオ本線に見える河で東を誘い出すと、見事にアガり切り、持ち点を回復すると、次局には7pアンカンの後リーチで、一発ツモ。

サンアンコの4000オールを決め、2連勝を決めた。

これでトータル2位までやってきたたろう。

3月に発売となった新刊「最強プロ鈴木たろうの迷わず強くなる麻雀」の宣伝にも余念がない。

本書には私も編者として参画したのだが、上記のような「オリない」考え方がロジカルに多く盛り込まれている。

どうしても弱気になってオリてしまうなどといった悩みをお持ちの方や、最近なぜか勝てないと伸び悩みを感じている方、そしてもちろん麻雀を始めたばかりの方まで、ぜひお手に取ってみていただきたい。

きっと、麻雀力向上の一助になるとともに、RTDリーグ内での鈴木たろうの思考が、今よりわかりやすくなると思われる。


鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)


■次回4/27(木)21:00から27、28回戦をAbemaTV 麻雀チャンネルにて放送予定


藤田晋 invitational RTDリーグ

トッププロを招聘した長期リーグ戦「藤田晋 invitational RTDリーグ」。BLACK・WHITEの2リーグ戦を経て、準決勝・決勝にて年間チャンピオンを決定。AbemaTV麻雀チャンネルにて独占放送中のオリジナル番組です。

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