攻撃のスペシャリスト佐々木、圧巻の2連勝! RTDリーグ2017 BLACK DIVISION 第4節 19、20回戦レポート
4/13(木)21:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDリーグBLACK DIVISION 第4節 19、20回戦の様子をお届けします。
レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。
18回戦終了時の成績はこちら↓
多井vs佐々木の1位2位対決となった19回戦、20回戦の2連戦。
初戦の東1局で先制したのは多井。
オヤリーチを受けて、前巡に佐々木が通した1枚切れの東待ちでも驕らずダマテン。
これに佐々木がツモ切りで飛び込み、6400。
多井らしい切れ味鋭いアガリで先制する。
しかし、ここから、前年度王者・多井に「攻撃のスペシャリスト」とまで言わせる佐々木が攻撃で魅せた。
まずは、オヤ多井のマンズ仕掛けにマンズ待ちのリーチでぶつけ、マンガンツモ。
これで多井に並ぶと、自身のオヤ番ではこの1枚切れ中単騎をダマテンに構える。
意外なダマテンだろうか。
佐々木に対し、何でもリーチにいく印象を持っている方も多いと思う。
確かに佐々木のリーチには愚形が多く、「おいおい、そんな待ちまでリーチかよ」と思うのも無理はない。
しかし、その愚形リーチ時の河と相手の手牌進行をぜひ確認してもらいたい。
待ちの絞れない河(リーチされたら嫌な河)で、相手がリャンシャンテンぐらいのときにリーチをかけていることが多いと気づくだろう。
また、ホンイツやチートイツドラ2のように、ダマテンでも高く、待ちが絞られやすい河のときには、ダマテンできっちりアガっている。
ここでも、1枚切れとはいえ、リーチをかけたら出ることのない中単騎で、9600のダマテンに構えた。
すると、滝沢のリーチ直後にツモアガリ。
4000オールで、まずは1勝をもぎ取った。
続く20回戦でも、佐々木の攻撃が冴える。
白鳥の2巡目1枚切れの西単騎リーチ。
リーチのみだが、オヤの現物に照準を合わせたアガれそうな待ちである。
これに対し、まず見事な対応を見せたのは多井。
ここから、西を打たずに唯一の現物4sを抜いた。
このケース、オヤの第1打に合わせたチートイツなどの西待ちがあり得るとの判断である。
多井の席に座っていたのが並の打ち手なら、ここで西を打って終局となるが、多井がこの西を抑えたことで、局が続く。
一方の佐々木はといえば、まだこの手牌。ひとまず現物の4s2sと並べる。
後手を踏んだ状況でアガれそうな手牌にはあまり見えないが、佐々木は言った。
「白鳥は、どうせまたしょうもないリーチなんだろ?と思って、押す気だった」
半分は白鳥に対するいつもの煽りだが、半分は本気であろう。
白鳥のリーチが「しょうもないかどうか」、その判断ポイントはどこか。
その判断には、きっと白鳥が見せたリーチ時のわずかな逡巡も含まれる。
ノータイムとはいえないワンテンポ、そして指の動き、視線の動き。
視線については、対局後、多井も「リーチするとき、オヤの第1打に視線が動いたように見えた」と語っている。
このような所作と、白鳥という戦略を持ったキャラクターを考慮すると、前述した佐々木のコメント「白鳥のリーチはどうせしょうもない」にたどり着くのではないだろうか。
そして、言葉通り、このイーシャンテンから2mも8mも通っていない両無スジの5m切り。
その後に無スジの7mも押した後、カン6pチーでホンイツへ向かった。
すると、前に出たオヤの達也から發が切られてポンテン。
アガリまでは結び付かなかったが、自分を信じて押し切った結果、ホンイツのテンパイで流局を迎えたこと、開けられた白鳥のテンパイ形が想定通りだったことを確認し、気分的にはノったはずである。
そして、その後に先制した白鳥を南3局のマンガンツモでかわし、トップ。
ヒト読みも駆使した見事な攻撃で、佐々木が首位攻防戦を2連勝で制した。
総合2位の多井をラスに沈めてのトップだったため、総合成績ではついに佐々木が大きく抜け出した。
しかし、ポイントを守る気など、佐々木には毛頭ないだろう。
次回以降も、佐々木の攻撃に注目だ。
鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)
■次回はBLACK DIVISION 21、22回戦を4/7(月)21:00~ AbemaTV 麻雀チャンネルにて放送予定
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