ノリノリたろうとブクブク村上! RTDリーグ2017 WHITE DIVISION 第4節 21、22回戦レポート
4/6(木)21:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDリーグWHITE DIVISION 第4節 21、22回戦の様子をお届けします。
レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。
20回戦終了時のポイントはこちら↓
21回戦は、ここまでトップ1回とくすぶっているたろうの8000オールで幕を開ける。
すると、そのリードを守るのではなく、広げていくのがたろうスタイル。
ドラまたぎの待ちでも構わずリーチでツモアガリを2発決め、6万点の大トップを決めた。
すると、続く21回戦でもたろうが躍動する。
東1局、西家たろうの配牌がこれ。
良くはない配牌だが、こういう手牌はたろうの大好物。
高打点を目指せるからだ。
たろうは、ここから安易に北などを切らず、打4p。
トイツ手に絞り、遠くの高打点を見る1打である。
かといって、高打点だけをがむしゃらに目指すわけではない。
ここに切られる西をポンせず見送る。
この手牌で西を鳴いてしまうと、残るトイツが鳴きにくいばかりでなく、安全牌に窮するおそれがあるため、鳴かずというわけだ。
たろうの言葉を借りれば、「西を消化して手牌を短くするリスクに見合わない」ということだろう。
しかし、その後に中が重なると、5sポンから発進。
今度は、リターンとして役役トイトイのマンガンが見え、かつイーシャンテン時に必ず字牌のトイツが残るため、守備力も落ちない。
たろうは、この辺りの高打点手順と攻守のバランス感覚が本当に鋭い。
すぐに西もポンしてイーシャンテンとすると、藤田からリーチがかかった。
テンパイからリーチのタイミングを探っていた藤田が、4mをツモ切りリーチ。
たろうがこの4mもポンして、あの配牌から、めくりあいに持ち込んでしまう。
そして、藤田が次巡に中をツモ切り、8000。
たろうの得意技「遠くの高打点打法」で、前回に引き続きノリノリである。
たろうに対抗したのは、20年来の付き合いである村上。
実は今期、村上はあるシフトチェンジを図っている。
この手牌、去年までの村上ならば、1枚切れで安全度の高い南を残し、打8s辺りを選択することが視野に入っていた。
しかし、今期の村上は自然に南を打っている。
去年までの村上は、「過剰に守備的で、不自然なまでに門前手順に固執していた」ように思う。
それに対し、今期は「自然に門前手順を追っている」。
いわゆる手牌を「ブクブク」に膨らませることが多くなったのだ。
自然に手を進めると、どうなるか。
安全牌を失う代わりに、「情報が増えた後に選択できるチャンスが増える」のである。
ここでも、選択の好機が訪れた。
村上クラスの打ち手であれば、選択の機会さえあれば、正解を出す可能性がかなり高い。
見た目枚数は1枚少ないながら、場に安いカン3mを残し、ここでようやく打8sとすると、大正解でリーチにたどり着いた。
このリーチは流局するのだが、このように序盤に安全牌を持たず、選択の機会を増やしているのが、今期の村上の好成績につながっていると見る。
すると、東3局でもまっすぐに打ち進める。
この手牌に順子手としての十分性を見ると、字牌から打ち出してノーガード状態から見事に最速手順のピンフリーチをかけ、ツモアガリ。
一見すると見逃してしまいそうだが、今紹介した2局が、今期の村上を象徴した進化の証なのである。
南1局のオヤ番では、藤田のリーチに対し、村上はドラトイツながら丁寧に現物の
5mを打っていく。
オリか・・・
そう思った。
しかし、チートイツでテンパイすると、ワンチャンスの6mを勝負し、良さそうな2p単騎テンパイで前に出る。
元来、後手を踏んだときの対応は村上の得意分野。
思えば、安全牌に異常な愛を向けてきたのも、すべては後手を踏んだときに押し返しのチャンスをうかがうためだったのである。
村上が、本来の得意分野「押し返し」で、4000オール。
これで頭1つ抜け出した。
しかし、これでは終わらない。
オヤが落ちた南2局が衝撃だった。
ドラが5sだけに、1mカンや6s切りダマテンもあるが、村上の選択は即リーチ。
今局のテーマは局消化。ならば、1m4枚、3mが2枚見えているカン2mは悪くないという判断である。
これが、望外の一発ツモとウラ4で3000・6000。
守備に偏向的な愛を向けてきた男が、手牌に対して自然な愛を傾け、リーチの寵愛を受ける。
今期の村上淳が強いのは、手牌への愛が自然だからに他ならない。
鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)
■次回4/10(月)21:00からWHITE DIVISION 23、24回戦をAbemaTV 麻雀チャンネルにて放送予定
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