「マンズ待ちに決めるのはかなり嫌」、勝又にとっての好形とは!? RTDリーグ2018 WHITE DIVISION 29-30回戦、BLACK DIVISION25-26回戦レポート
4/30(月)および5/3(木)21:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDリーグ2018 WHITE DIVISION 29-30回戦およびBLACK DIVISION25-26回戦の様子をお届けします。
レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。
▼▼▼WHITE 30回戦: 1m4m待ちに固定するのはかなり嫌!勝又にとっての好形とは!?▼▼▼
まずは石橋が先制すると、追いかける勝又が興味深い手順を見せた。
ダブ東をポンしていた勝又がテンパイまでたどり着く。
普通に考えれば打9sなのだが、なんと勝又は打2mでいったん3m単騎に受けた。
確かに4mが2枚切れで、1m4mが良い待ちとはいえないのかもしれない。
では、勝又はいったいどんな感覚でこの選択をしたのだろうか。
― これは、9s切りで1m4m待ちに固定してしまうのは、どれぐらい嫌なんでしょうか?
勝又「程度で言えば、かなり嫌ですね」
― それは、例えば4sの代わりに高目チャンタになる1sがきていたとしても、1m4mに受けないぐらい嫌ですか?
勝又「ですね。それぐらい嫌で、1sがきても打2mにしようと思っていました」
― ほんとですか!?それは、上家の和久津さんがマンズの一色手ということが大きく影響しているんですか?
勝又「いや、それはあまり影響ないですね。むしろ・・・」
と言って、勝又が語った打牌選択の理由が非常に興味深かった。
勝又「・・・ここで考えなければならないのは、1mの所在ですよね。1mが誰にも固まっていないケースについてはすぐにでもアガれるのかな、という感じがしますが、逆に1mが誰かに固まっていて長引くケースでは厳しくなると思います」
― なるほど。では、この時点で1mが固まっている感覚があると?
勝又「いや、そういうわけではありません。この段階でどっちなのか判断がつかなかったというのが正確なところですね。なので、最速のアガリを逃すかもしれないのは承知の上で、長引いたケースでこの勝負手が薄い1m4m引きを祈るだけとなってしまうのを避け、打2mとました」
面白い。
無難に打てば、打9sの1択なのだが、仮にチャンタのつく1s引きでも勝又は打2mにすると言う。
その理由はズバリ「その方が、色んなケースで無難にアガリまでの選択ができるから」である。
おそらくこういう真ん中に偏った捨て牌のときには、1mが固まっているという感覚も多少あるのだろう。
両面に受ける打9sが一般的な無難なら、打2mとすることが勝又にとっての無難というわけだ。
そして、実際には6pを引いて和久津の9pを捉えた。
結果的にはその前に1mも引いているのだが、打点も7,700に上がっており、何より仮に1mが固まっていた世界線でもアガれる選択肢となっている。
これが、どんなケースでもアガリを拾える「勝又にとっての好形」なのであった。
この半荘としては、その後石橋に9,600が出てトップを取り逃がすが、勝又にとって「選べる」ということの価値を伺えた半荘となった。
▼▼▼WHITE 29回戦:基本に忠実なたろうの打牌▼▼▼
麻雀において、基本に忠実とは大事なことである。
たろうを見ていると突飛な打牌が印象に残るかもしれないが、たろうの打牌ほど基本を徹底したものはないと思っている。
例えばこの何切る。
これは、一見するとどのカンチャンを外してもいいように見えるが、基本的には打8pしかありえない。
まず、7s、2p、7pの純粋な比較で、より端にかかった2p受けを残すことは確定。
次に、7sと7pの比較だが、ソウズの1123468sは1s4s引きでリャンカン、5s引きで3面張、8s引きで1578s受けと、好形変化しやすい。
また、仮に8p6pを切った後に5pを引いても、13pがリャンカンになるため、フォローが利いている。
そのため、この手牌からは基本的に打8pしかありえず、しかも上家が早々に打6sとしているため、7sが切られる可能性が高まり、よりカン7s残しを後押しするというわけだ。
何の変哲もないマンガンツモだが、こういう基本的な選択を絶対に間違えないところが、実はたろうを支えている根幹でもあるのだ。
これでリードを得ると、南1局ではトップ目から果敢に發をアンカンしてあっさりツモ。
じっくり見れば選択肢のあった半荘を、たろうがあっさり奪取した。
▼▼▼BLACK 25回戦:小林、鬱憤を晴らすかのようなトップ▼▼▼
前節、珍しくマイナスした首位の小林だったが、ここではまずダマテンのマンガンを決める。
すると、続いてオヤリーチに追いかけてハネマンツモ。
前節の鬱憤を晴らすかのような大物手2発で、一気にトップを決めていった。
▼▼▼BLACK 26回戦:瀬戸熊のリスク前倒し戦略▼▼▼
5mをアンカンしていったん2枚切れの8p待ちに取った瀬戸熊だったが、次巡に5pを引くと、ツモ切りリーチを敢行した。
なんとも珍しい瀬戸熊の愚形リーチのみ。
しかし、これを咎めるかのようにオヤの松本がドラ4チートイツで追いかける。
これに詰まったのは多井。
松本は高そうで、絶対に打ちたくない。とすると、松本の現物で瀬戸熊のスジ8pが選択肢の筆頭となる。
瀬戸熊が果たして2枚切れの8p待ちでツモ切りリーチをするだろうか。
そう考えると、打牌は8pにしかなりえなかった。
これが、リスクを前倒しした瀬戸熊の思惑に捕まり、ウラ1の3,900。
松本が24,000まであるリーチだっただけに多井にとっても悪くない結果だが、この後、勝負所を前倒ししておいた瀬戸熊に選択肢が生まれ、それが活きていく。
オヤ番で6枚切れの3p6pをリーチで連荘に成功すると・・・
ここから1手で即リーチを最もかけやすい打6sを選択し、一発ツモ。
これで先行すると、リードで選択肢を増やした瀬戸熊が危なげなく逃げ切った。
マイナスをコツコツ減らした瀬戸熊は、これでついにプラス域。
暴君瀬戸熊が、上位進出に向けていよいよ地上に帰還した。
鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)
■次回5/7(月)21:00からBLACK DIVISION 27-28回戦をAbemaTV 麻雀チャンネルにて放送予定
0コメント