白鳥の放心と会心!鉄心・平賀の変わらぬ遊び心! RTDリーグ2017決勝最終日5、6回戦レポート
11/3(金)16:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDリーグ決勝5、6回戦の様子をお届けします。
レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。
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初日には4戦をそれぞれのトップで分けたため、かなり団子状態となっている。
残すは4戦。
最終日初戦、早々に走ったのは白鳥だった。
小林のオヤリーチに追いかけると、一発でドラをツモって3000・6000。
さらに、今度は平賀のリーチに対し、2s、6mと押してダマテンを組んでいく。
そして、次巡に5pを持ってくると、ツモ切りリーチといった。
この1巡回しが実に白鳥らしい。
5m9mと切っている小林の打8mがトイツ落としにも見えることも含め、自分が6mを打ったときの反応を1巡見ようというのである。
結果、小林・佐々木から切られたのは、さして悩まず平賀・白鳥の共通アンパイ。
ツモ切りの佐々木はわからないが、少なくとも小林は共通アンパイが足りていそうだ。
ならば、ダマテンでかわす意味が薄いため、5pを切るリスクに見合うリターンを求めてリーチでめくり合いに持ち込んだ。
すると、形テンを取りにいった佐々木から8mが打たれ、望外のアガリ。
ウラドラが3枚乗って12000となった。
平賀のオヤ番という関門でも、白鳥は軽快に8sをポンすると、平賀のオヤリーチに対してさらに7sをチーして、自分で決めにいく。
2巡後、白鳥が持ってきたのはドラの1m。
白鳥が長考に入る。
ドラで打てば12000を覚悟せねばならない。
ただ、仮に12000の放銃になったとしても、まだ自分が有利である。
自身で仕掛けてこの形にしたのならばと、白鳥は1mをツモ切った。
「ロン!」
平賀の声が心なしか大きい。
ああ、これはまずい。
ウラドラも2枚乗って、24000。
白鳥は放心状態。
白鳥にとっては痛恨の、平賀にとっては会心のトップ逆転で、平賀がトータル1人浮きとなり、優勝をぐっと引き寄せた。
それでも、気持ちを切り替え、続く6回戦に臨む白鳥。
この4000オールでトップ目に立つと、いつもの安定したゲーム回しでトップ目のまま南入させることに成功した。
そこで白鳥にテンパイが入る。
3面張なのだが、1mが3枚、4mが1枚切れていて、アガリ牌が潤沢に残っているわけではない。
とはいえ、平賀のオヤ番ということを考えれば、7mツモのマンガンかハネマンを引きにいきたくなるところ。
しかし、白鳥はそんな気持ちをぐっとこらえ、ダマテンに構えた。
これが好判断。
この後、西家の佐々木が西をポンしてマンガンテンパイ。
続いて、小林からもマンガン確定のリーチがかかる。
さらに、平賀もこれを追いかけた。
チャンス手が一転、3人に囲まれる形となった白鳥。一発目で掴んだ牌は、なんと生牌のドラ1p。
これは切れない。白鳥は、必死に共通アンパイを抜いてオリていった。
もし、白鳥が先にリーチしていたら、1pで平賀に7700以上の放銃となっている。
これをかわし、小林から佐々木への横移動で済ませたのは、白鳥の持ち味である胆力に他ならない。
しかし、それでも平賀がしぶとくついてくる。
ラスになってもおかしくないところで、冷静に欲張らず、1000点仕掛けを入れて佐々木のオヤリーチをかわした。
これで、平賀が2着目でオーラスを迎える。
かわしてもかわしても、斬っても斬っても復活してくる。
白鳥としては、「もう!この人はなんなんだよ!」だろう。
ところが、オーラス、そんな白鳥にダマテンマンガンが入り、これに平賀が打ち上げる。
平賀のラス落ちである。
今度こそ、奇跡のような会心のトップラスが決まった。
これで、白鳥があとワントップというところまで平賀を追い詰めたのである。
しかし、対局後のインタビューで白鳥は愕然とすることになる。
解説の多井が、少し気まずそうに平賀に声をかけた。
「平賀さん、最後、激痛でしたね」
これに対する平賀の受け答えが衝撃だった。
平賀「そうですね、2着順落ちちゃいましたからね(^^;)でも、自分で決めにいこうと思ってたんで、しょうがないですね。むしろ、ここまでラス引かなかったのが奇跡と思ってたんで( ̄▽ ̄)これは、メガチェン(※平賀はラスを引くとメガネをチェンジして気分を変える)のしがいがありますね!」
なんと痛恨のラス落ち直後の平賀は、笑いながらこう答えたのである。
びくともしない鋼鉄の心臓と、変わらぬ遊び心。
白鳥は思っているはずだ。
「なんなんだよこの人、ちょっとは揺れろよ。。。メンタルモンスターかよ!いい加減にしてくれよ!」
とにもかくにも、残り2戦を残し、白鳥がついに平賀の背中を視界に捉えた。
鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)
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