強烈な個性を見せつける3者!苦悩の白鳥、逆襲なるか!? RTDリーグ2017決勝初日3、4回戦レポート
10/26(木)17:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDリーグ決勝3、4回戦の様子をお届けします。
レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。
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東1局、小林のダブトン仕掛けに対し、佐々木が三色確定のドラ単騎でリーチをかけていった。
結果、平賀の追いかけリーチも振り切り、佐々木がドラをツモって3000・6000をものにする。
この手牌、リーチをかけずともマンガンあるため、ダマテンにしてしまいそうなものだが、こういうところを抜け目なくリーチし、相手に制約を与えつつツモアガリに賭けられるのが佐々木の強さ。
これはイメージなのだが、佐々木がドラ単騎の場合にリーチする割合はかなり高いと思われる。リーチが多い佐々木の中でも、特にドラ単騎リーチが多いのは、強烈な個性に映る。
先制した佐々木がトップのまま南入すると、両面を2つチーしてこのタンヤオテンパイ。
逃げ切りを図る佐々木とは対照的に、この半荘でも置いていかれた白鳥だったが、3フーロのホンイツで追いつく。
西をポンしてテンパイしたところなのだが、特に状況がなければドラでのマンガンを見て中を打つところ。
しかし、白鳥は3sを打って、今通ったばかりの中単騎に受けた。
白鳥は「純粋にアガリを取りにいきました。寿人さんがドラ2枚以上持ってると思ってたし、アガるだけなら中単騎は拾えると思ったんで」
結果、小林が中をツモ切って白鳥の3900となるのだが、この状況で「純粋にアガリを拾いにいく」ということがどれほど難しいか。
ビハインドを負っているため、どうしても6sでのマンガンを見て、中を切ってしまうものである。
このアガリには、白鳥の意志のようなものを感じた。
「いかなる逆境に立たされようとも、絶対に崩されないよ」
それが、強烈な3つの個性と戦うために、対応型の白鳥が保たなければならないものである。
しかし、アガれども、テンパイすれども、牌が今一つついてきてくれない白鳥。
南2局のオヤ番でも3フーロで追いつくが、テンパイ打牌2sが白ポンの佐々木に捕まり、万事休す。
佐々木が決勝初トップで原点まで回復した一方、白鳥はマイナスを3桁に乗せてしまった。
白鳥は控室に帰ってくると、つぶやいた。
「きっついなあ」
そして、無心でチョコを食べ始める。
白鳥「むしゃむしゃ、むしゃむしゃ」
むしろチョコに食べられているんじゃないかと思うほど、無心でチョコに没頭する白鳥。
そんなとき、解説席で村上が言う。「白鳥くんは焦ってないと思いますよ」
白鳥「モグモグモグモグ」
焦ってはいるのだろうが、卓につけばそんな気持ちが入る隙間もなく麻雀に没頭してしまうだけなのだろう。
控室には紛れもなく、ちょっとテンション低めのスイーツ男子がいた。
4回戦に入っても、白鳥の劣勢は変わらない。
ダブトンをアンカンした平賀が9mもポンして、あっさり40オールで先制する。
そして、1本場でも平賀が強烈な個性を見せつける。
小林のこのリーチに対し、平賀がホンイツ含みのイーシャンテンとなった。
すると、ここから打5mとし、3900を放銃する。
この放銃がすごい。
小林は、3m中4m手出しでのリーチだった。
このとき平賀は、467mのパターンが最も濃いと思っていたそうだ。小林の手牌が正にそうだったように、3m切り直後に4mを引いた形を想像していたというのだ。
とするならば、もう1つの受けが両面だとすると、5mが当たる確率は66%*。通るのは、先に8mを引いたケースしかないのである。
* パターン1:ツモ3s、打4m→結果5m8m待ち
パターン2:ツモ6s、打4m→結果5m8m待ち
パターン3:ツモ5m、打7m→結果そもそも打4mにならない
パターン4:ツモ8m、打4m→結果3s6s待ち
⇒よって、打4mになる3通りのうち、5mが通るのは1通りのみ(=33%)
そこまでわかっていて、平賀はなぜ5mを打ったのか。
平賀「メンホンをアガリ逃す方が引きずるから。残りの33%に賭けて5mを打ったよ」
そうあっさりと答えた。
「6~7割当たると思っている5mを」、「トップ目が」、「イーシャンテンから」打つなど、平賀にしかできない芸当であり、強烈な個性である。
すると、続いて小林もすさまじい打牌を見せる。
タンピンイーペーコーのイーシャンテンから、なんと8mのチーテンを取ったのである。
そして、テンパイを取ったからにはドラ切りでかわしにいくのかと思いきや、打6sでカン4sに受ける。
結果、流局となるのだが、帰り際、このときの思考をたろう・村上を交えて話していた。
小林「これはハネマンのリャンシャンテンでしょ?」
村上「なら、とりあえず3sを切っておけばいいんじゃない?1000点も2000点も変わらないじゃん」
小林「うーん、あんな中盤で、ドラ打ってまで1000点アガりたいかというとそこまでではないんだよね。ドラ打つならチンイツぐらいにならないと」
たろう「鳴く前と鳴いた後の手牌で、どっちがハネマンに近いと思う?絶対鳴く前だと思っちゃうんだけど( ̄▽ ̄;)」
小林「そうかもしれないけど、チンイツに替わる前に4sが出たら2000点はアガっておきたいんだよね。ちなみに、テンパイは崩さないから、8m以外はツモ切るよ」
たろう・村上「ええっ!?じゃー、ほぼチンイツにならないじゃん!笑」
小林「そうだね、もちろんそんなにチンイツになるとは思ってないよ(゜―゜)」
この8mにチーテンをかけられる打ち手が小林以外にいるだろうか。
私も、たろうや村上と同じ感覚で、そもそもチーという発想がない。
これは、紛れもなく小林の個性であろう。
そんな強烈な個性がぶつかり合う中、白鳥は冷静に押し引きを続ける。
3pをカンして、場に安いピンズならとリーチをかけ、ツモって4000オール。
ついに白鳥がトップ目に立った。
しかし、平賀がマンガンツモであっという間に再逆転。
すると、次局には、オヤの小林にドラアンコの強烈なダマテンが8巡目に入る。
ここに不要な2sを掴んだのは、白鳥。
少しばかり不幸すぎやいないか。
何度も何度も苦しい中を切り抜けても、まだ闇を抜けない。
12000放銃で白鳥が3着まで落ちてしまう。
しかし、次局では白鳥が5巡目に9sのポンテンを取ると、ドラの白をツモって3000・6000。
2着目まで復活。
そして、オーラスにはトップ争いでテンパイの平賀から一発で打ち取り、8000。
白鳥が、遠かったトップをようやく手中に収めた。
様々な構図に見立てられる今回の決勝戦だが、私はこう思うのである。
「強烈な個性を持つ3名vsあえて個性を持とうとしない白鳥」
あえて個性を持たず、全てに対応し切って勝つという腹積もりの白鳥が、強烈な個性たちを飲み込むべく、反撃の狼煙を上げた。
白鳥の反撃により、初日を終えて各人1回ずつのトップ。
混戦のまま、最終日を迎えることとなった。
鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)
■次回11/3(祝)17:00から決勝最終日をAbemaTV 麻雀チャンネルにて生放送予定
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