勝又の鋭利なかわし手順！白鳥が自らに求める次元！　RTDリーグ2017準決勝第1節1、2回戦レポート

8/12(土)14:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDリーグ準決勝第1節1、2回戦の様子をお届けします。

レポートは、鈴木聡一郎（最高位戦日本プロ麻雀協会）がお送りします。

開始時のポイントはこちら↓

準決勝は、予選のポイントを半分持ち越しでスタートする。

全20回戦（各人10回戦）を打ち、上位4名が決勝進出となる（決勝へのポイント持ち越しはない）。

1回戦、東1局から強烈なテンパイを組んだのはオヤの勝又。

12000で打点は十分なため、ダマテンに構える。

な切りそうな3m6mだったからダマテンにした」と語る勝又の読み通り、マンズの情報がない佐々木以外は、3m6mをツモ切ってもおかしくない手牌であった。

1つ想定外だったのは、同巡、村上にドラ5sを打たれたこと。

このまま放っておくと、村上に追いつかれてしまう。

ならばと、今度はツモ切りリーチで圧をかけにいった。

しかし、時すでに遅し。

この1巡で安全牌の南を抱えることに成功した村上からすぐに追いかけリーチがかかり、安目ながら勝又の6pが捕まった。

打点は2000だが、それ以上に12000のテンパイを蹴られたショックが大きいだろう。

ところが、揺れないメンタルが持ち味の勝又。

東2局で3000・6000を決めてトップ目に立つと、東4局では冷静な打ちまわしを見せた。

8p切りでテンパイを組み、手替わりを待つのがマジョリティだろうか。

一方、勝又の選択は打9sのテンパイ取らず。

すると、すぐに8p、7pと引いて5p8pのダマテンに構える。

打点はたったの1300だが、村上・猿川の2軒リーチをかわす大きなアガリとなった。

この8p残しは地味にすごい。

確かに、9pの切れ具合から8p、7pが少しだけ良さそうで、おそらく6pポンの8p単騎なども想定に入っていたのだろう。

とはいえ、気持ちよく即リーチにいけるのは6pを引いたときだけであり、それならばいったんテンパイを組み、ドラ周りの手替わりのみを待つほうが良く見えても不思議はない。

それでも、柔らかく打9sと構え、次巡の8pを捉えたところ。

さらに次巡のツモ7pで、自分本位の打点優先でカン7pリーチとせず、相手から攻撃が飛んでくることを読み切り、かわし手としたところ。

柔らかさと鋭さを兼ね備えた勝又らしいアガリに見えた。

勝又は、南3局でもダマテンを選択。

すると、ここでもやはり村上のトイトイ仕掛け、

猿川のリーチが襲い掛かる。

ならば、勝又としてはどこでオリに回るかを探っていくことになりそうだが、その前に猿川が5pを掴み、勝又のアガリとなった。

準決勝開始時に最下位だった勝又が初戦でトップを取ったことで、視聴者としては面白い展開となっている。

2回戦では、白鳥が躍動。

平たい点数状況で南入すると、たろうのドラポン、平賀のリーチをかいくぐり、平賀から南で8000を打ち取った。

すると、オヤ番でもアガり、1人3万点台のトップ目で迎えた南2局1本場。平賀からリーチがかかった。

この捨て牌でチートイツと読み切るのはほぼ不可能だろう。

これに対する白鳥。

ベタオリしないのであれば、いったん西に手がかかるところだが、白鳥は打7pからのベタオリを選択した。

西を切らずに粘っていくが、終盤に手詰まりとなっては、切る牌は西しかない。

平賀への8000放銃となった。

次局に移っても、なにやらこの放銃に思考を巡らせているような白鳥。その真意が、対局後に明らかになった。

白鳥「読み切れていなかった。確かにチートイツとはわかりにくい捨て牌だったが、そういう（読みの精度という）部分で勝負しているから・・・」

これには驚いた。白鳥が自らに課すレベルとは、先ほどの捨て牌ですら、チートイツが若干でも濃く映るような次元ということなのだろう。

こういう飽くなき探求心が、白鳥をさらなる高みへと飛翔させる。

南4局では、ウラ1条件のリーチをアガってウラ1。

2600でギリギリ再逆転を果たし、初戦をトップで飾る。

このウラ1には白鳥もしびれたようで、「日頃の行いがいいわあ」と漏らした。

初戦を終えて白鳥が下位を少し離したが、首位の佐々木でさえもまだわからない。

鈴木聡一郎（最高位戦日本プロ麻雀協会）

■次回8/23（水）17:00から準決勝2日目をAbemaTV 麻雀チャンネルにて生放送予定