猿川vs多井、1つのイスを争う戦いの行方は!? RTDリーグ2017 BLACK DIVISION 最終節 51、52回戦レポート
8/3(木)21:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDリーグBLACK DIVISION 第9節(最終節) 51、52回戦の様子をお届けします。
レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。
前回までのポイントはこちら↓
条件を背負って戦う3者を尻目に、爆発したのはトータルでダントツの佐々木。
開局のオヤ番から全開の攻めを見せる。
まずは佐々木らしく愚形の先制リーチをかけ、追いかけリーチの滝沢からアガると、次局でも先制リーチをかけた。
これにまたしても滝沢が追い付く。
なんとツモりスーアンコのテンパイ。2sが1枚ヤマに残っている。
しかし、ここも制したのは佐々木。
滝沢から高目を打ち取った。
2本場でも先制リーチをかけると、平賀のリーチ宣言牌を捕らえてダメ押し。
このオヤ番だけで5万点を超えた佐々木が、トップでさらにポイントを積み上げた。
続く52回戦では、猿川と多井の準決勝進出争いに注目が集まる。
現在70ポイントほど猿川がリードしており、多井としては猿川を沈めてトップを取り、最終戦で純粋な着順勝負ができるようにしたいところ。
準決勝当確の白鳥がトップ目で南入する展開となった。できれば猿川を3着以下に沈めたいため、他のプレイヤーが若干リードするのは多井にとって悪くはない。
そんな中、多井が先制リーチ。
供託2000点と4本場があるため、猿川を追いかける一撃としては十分だ。
これに対し、猿川にもテンパイが入る。
選択肢は2つ。
1つ目は、1m切りダマテンの現物待ちに構え、その後に危険牌を引いたらさらに1mを切ってオリていく守備的な選択。
2つ目は、4s切りリーチという攻撃的な選択。
猿川は後者の攻撃的なほうを選択した。
3s6sが薄く、ダマテンに構えてもアガリの感触はさほどない。
それならば、5s8sリーチで決め手にしてしまおうという思考だ。
また、ドラで放銃することがないのも、ドラ待ちリーチのメリットである。
かくして、準決勝進出を占う重要な2軒リーチとなった。
ここでの結果が準決勝進出者を決めそうである。
この2軒リーチに挟まれたのが藤田。
オヤの藤田は、オヤで連荘する以外に道がなく、絶対にオリられない。
ドラ切りでリーチを宣言するが、これが猿川に捕まった。
ウラドラも乗って、トップ目に浮上する大きな大きな8000。
逆に、多井にとっては痛恨の加点である。
すると、次局のオヤ番でも猿川がリーチ。
三色かタンヤオを見て9sツモ切りという選択もあったが、猿川は少考の末、素直にリーチをかけた。
これに対し、困ったのは白鳥。
現物は7mと3pがあるのだが、それらを打って2巡凌いでも、手牌が真ん中に寄っており、牌種も少ないため、すぐに手詰まりとなりそうである。
ならば、浮かぶ選択は打7p。
3pが4枚見えのため、7pが通れば、4pもアンパイになり、さらに自分がアガれる可能性も残せる。
白鳥が7pを打ち、猿川が手牌を倒した。
すると、またもウラドラが2枚乗って12000。
猿川がダントツとなった。
最悪なのは多井。猿川を沈めることは難しくなったため、猿川をまくってトップを取るというだけの目標に切り替えざるをえなくなった。
幸い、オーラスのオヤ番が残っている。
その多井、オーラスのオヤで4巡目に打点・形ともに十分なこの手牌。
しかし、ここからが長い。
一切有効牌を引かず、最後に形テンを取るのが精一杯という不運。
1本場でも、メンホンチートイツのイーシャンテンという十分な手牌から、東をポンして役役ホンイツのイーシャンテンに切り替えた。
次巡には1枚切れの3sを先に放し、1s4sへのケアを薄めるが、戦えるプレイヤーが誰もおらず、全員が字牌を抑えて完全撤退。
鳴けず、引けずで最終手番まで来てしまう。
最終手番で引いたのは、無情にも先切りした3s。
屈辱のノーテンで終局し、頭を垂れた。
猿川・多井の差は160ポイントに広がった。
すなわち、多井が背負う最終戦の条件は、猿川とトップラスを決め、8万点差をつけるという厳しいもの。
前年度王者・多井が予選で敗退してしまうのか。
残すは最終戦のみ。
鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)
■次回8/7(月)21:00からBLACK DIVISION 第9節(最終節)53、54回戦(最終戦)をAbemaTV 麻雀チャンネルにて放送予定
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