着順操作の魔術師・勝又!かわし続けた藤田、執念のトップ! RTDリーグ2017 WHITE DIVISION 最終節49、50回戦レポート
7/21(木)21:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDリーグWHITE DIVISION 第9節(最終節) 49、50回戦の様子をお届けします。
レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。
前回終了時のポイントはこちら↓
ついに、最終節全6回戦(各人3回戦)が幕を開けた。
上下の2人ずつは大きく離れているため、やはり注目は3~6位の4名ということになる。
この4名のうち、準決勝に進めるのは4位までに入った2人のみ。
実に、2分の1というサバイバルである。
49回戦では、まず3位たろう・6位勝又が登場。
たろうは、残り3回のうち1回トップを取ればほぼ通過といったところ。
逆に、勝又は3回中2回のトップを意識していることだろう。
すると、その勝又がまず走る。
發をアンカンしてリーチをかけると、大逆転に向けてオヤ番を死守しなければならない石橋が9pをツモ切って8000。
勝又が先制した。
しかし、黙っていないのはたろう。
ピンフリーチをかけると、ウラが2枚で8000。
勝又に追いすがり、南1局でもピンフドラ1の先制リーチでトップ逆転を目指していった。
すると、ここに勝又も参戦。
ドラと南のシャンポンリーチで、ついに準決勝ボーダー上の2人が激突する。
この局の結果で今後の戦略が大きく変わりそうだが・・・
ここを制したのは勝又。
たろうが南を掴んで、勝又が大きく抜け出した。
こうなると、非常に立ち回りがうまい勝又。その様子は、着順操作の魔術師といったところ。
石橋のこの東イチ鳴きを見ての対応が鋭い。
まず、石橋のこの仕掛けは、2900という打点は少なそうである。
この点差で鳴いて2900なら、そうとう形が悪くない限り、リーチでのマンガンを目指して門前で進めそうだからだ。
すなわち、石橋のこの仕掛けは、1500か5800以上であることが多そう。
そして、いきなりのペンチャン落とし。
これは、打点を見た5800コースの方ではなかろうか。
では、5800の材料は何だろう。
マン・ピン・ソウがバランスよく切られ、ホンイツが薄くなったこの状況では、ドラトイツの可能性が少し上がっているのではないだろうか。
にもかかわらず、勝又は、ダントツながらイーシャンテンでドラの發を打ち出した。
すると、すでにテンパイしていた石橋がこの發をポン。
実は、石橋にポンされることまで、勝又には織り込み済みのシナリオ。
トータルを考えると、たろうの着順が落ちることが望ましい。
また、ここで石橋が4000オールを引くようなことがあると、三つ巴の2着争いで、自身のトップ確率も上がる。
そして、自身の手牌も發を打ち出すに見合う価値ある手牌である。
これらを総合的に判断し、勝又は發を打ち出したというわけだ。
すると、勝又の想定通り石橋が4000オールで三つ巴状態になると、そこから脱落したたろうにラスを押し付けることに成功。
対局後、自身は「着順意識を早く持ちすぎた發切りだった」と反省の弁を述べたが、傍目にはファインプレーにしか見えない。
結果、自身のトップ、たろうのラスという理想的な並びで、準決勝進出ラインにぐっと近づいた。
50回戦では、5位藤田・6位瀬戸熊の対決。
仕掛けを多用して、小林とともに早い展開でゲームを進行していった藤田に、ついに勝負手が入った。
しかし、4mのトイツ落としてチートイツが否定された上での字牌切りリーチ。この河ではダブ南の出アガリはほぼ期待できない。
アガるには、自身で引くしかなさそうだが・・・
今シーズン、ここまで牌勢に恵まれなかった藤田に、ついに天恵。
ダブ南を引いて、トップ目に立つ2000・4000が決まった。
南3局でも、積極的に仕掛けていく藤田は、小林の第1打中をポンしてこの形。
遠い仕掛けだが、安全牌候補の北があるため、バランスの良い仕掛けだ。
これを、瀬戸熊リーチ・小林ダマテンに挟まれながらも、なんとか仕上げ、2着目小林のオヤを落とす。
すると、オーラスでは瀬戸熊のこのオヤリーチ。
この一発目、上家の切った3mに止まる藤田。
チーして5mを切れば4pでのみアガれるテンパイだ。
確かに4pは瀬戸熊の現物なのだが、手出しが多く、手牌がかなり動いた形跡のある瀬戸熊のリーチに対し、直前に打たれた6m付近の5mは、いかんせん厳しい(実際に5mが入り目)。
長考に沈んだ藤田の答えは・・・
チーして5m勝負!
そして、直後に4pで出アガリを決めた。
絶対に足を止めず、前に出て攻撃をかわし続けた藤田が、執念のトップで3位に浮上した。
激戦の3~6位対決は、差を縮めてのこり4回戦に突入する。
鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)
■次回7/24(月)21:00からWHITE DIVISION 最終節51、52回戦をAbemaTV 麻雀チャンネルにて放送予定
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