小林のジャブとたろうのストレート! RTDリーグ2017 WHITE DIVISION 第7節 41、42回戦レポート

6/12(月)21:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDリーグWHITE DIVISION 第7節 41、42回戦の様子をお届けします。

レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。

前回終了時のポイントはこちら↓

41回戦、ここまで首位をがっちりキープしている小林が今回もブレずに仕掛け続ける。

南場のオヤで、1枚目の中をポンして1500ベースの仕掛けを始めた。供託があり、今局ではアガリの価値が非常に大きい。

すると、ドラもあっさりツモ切った後、6pもチーできて456三色のカン5mテンパイ。

3mと5mの選択になったテンパイの瀬戸熊が、仕掛け始めた他家への対応も含めて5m切りリーチを選択し、小林のアガリとなった。

アガリとはなったが、2フーロして2900という決して高打点とはいえない打点だ。

決め手にはならない打点だが、小林の強さはこういうジャブを打ち続けるところにある。

このジャブが決まるから、選択肢の幅を持って自由に能力を発揮できる。

こういったジャブが決まっていなければ、次局のこの4000オールが決め手にならない可能性がある。

小林の仕掛けはジャブだ。

思考としては、「決め手は誰にでもいつかやってくる。ならば、それまでジャブを打ち続けよう」。

そんな自然体の麻雀である。

トータルにおいてもポイントに余裕を持っていることを活かし、この半荘でも自由な選択でトップを取りこぼさなかった。


続く42回戦に登場したたろうもよく仕掛けるイメージがあると思うが、実は小林の鳴きとは性質が全く違う。

南場のオヤで南をポンして1枚切るところ。

小林なら1s辺りに手がかかりそうだが、たろうは打6m。

トイトイかホンイツを見ての選択だ。

小林の仕掛けが細かいアガリを見てのジャブなら、たろうの仕掛けは相手に対応させることも含めた大物手狙いのストレートである。

小林のベースはアガリ力。

たろうのベースは打点力。

そういう根本の違いがあるわけだ。

したがって、たろうの手牌は仕掛けていようと門前だろうと、基本的に高い。

リスクを負った安い鳴きというのは、たろうが最も嫌う手牌である。


局が進んで南2局では、村上のこのリーチを受けた。

この状況下で、上家から打たれた5pにどうするか。

鳴いて村上のアガリを阻止するという考え方もあるが、それは成功した場合に2着目には近づいているが、トップにはあまり近づかない。

また、1000点でこの後引く危険牌を勝負できるかといえば、なかなか難しいだろう。

たろうは、これをスルーし、ヤマに手を伸ばす。

そして、3mを引いてリーチといった。

これを村上からアガると、ウラドラが3枚。

望外のハネマンだが、これはたろうの打点力が呼び寄せた僥倖であろう。


すると、今度は村上からオヤリーチ。

これに対し、たろうも現物を切って現物待ちのテンパイを組んだ。

しかし、次巡に6mをアンカンして引いたリンシャン牌がなんとも厳しい7p。

5pのワンチャンスなのだが、ここで村上に打つとトップ争いから脱落となる可能性が高いため、なかなか押すことのできない7pではないだろうか。

一方、たろうの選択をは7p勝負。

テンパイ料で勝負が決まる可能性のある接戦であるため、押しを選択していった。

すると、全員テンパイというオリにくい状況下で、勝又が掴んだハイテイ牌が石橋にアンパイで村上のスジ2p。

これは止まらず、たろうがこれまた望外の6400でトップを決めた。

果たして、これをツイているだけと片付けることができるだろうか。

確かに、結果的としてはツイているのかもしれない。

しかし、小林はジャブを、たろうはストレートを、的確に打ち続けているからこそ掴める幸運、と思えてならないのである。

これで残すは2節。

たろうが小林の後を追う。


鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)

■次回6/15(木)21:00からBLACK DIVISION 第7節37、38回戦をAbemaTV 麻雀チャンネルにて放送予定


藤田晋 invitational RTDリーグ

トッププロを招聘した長期リーグ戦「藤田晋 invitational RTDリーグ」。BLACK・WHITEの2リーグ戦を経て、準決勝・決勝にて年間チャンピオンを決定。AbemaTV麻雀チャンネルにて独占放送中のオリジナル番組です。

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