掴みどころがない柳!猿川真寿 RTDリーグ2017選手紹介7

AbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送される、RTDリーグ2017の出場選手を紹介していきます。

観戦記担当の鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。


選手紹介7回目の今日は、RTDリーグ初出場となる、

猿川 真寿(さるかわ まさとし)

日本プロ麻雀連盟所属

猿川は2008年に麻雀マスターズを獲得し、一気にブレイクする。

タイトル戦情報-第17期 麻雀マスターズ |日本プロ麻雀連盟

4回戦しばしの休憩を経て、4回戦が始まった。 この半荘は、「死に体」と見られても仕方ないはずの猿川の為に存在したようなものであった。 全12局中、9局でテンパイを入れ、7本のリーチ棒を放ったのだ。 常に局面をリードし、6回のアガリ(しかも1局を除き、他家の放銃)をもぎ取る。だが、これはある意味では予測の範疇にあったことなのかもしれない。 既に戦いは中盤にさしかかり、圧倒的(に近い)リードを保つ黒田の首根っこを捕まえなければ森山/大川ともに展望が開けないのだから。 その為には…当然、自分のトップが望ましいが、それと同じ位に望ましいのが黒田のラス、それが無理でも3着を引いてくれること。(※ラスは▲30P、3位は▲10Pの順位ポイントが付く)だが、今日の黒田はなかなかにしぶとい。 沈みそうな展開でポンとアガり、親番でグイっと連荘を重ねて安全圏に到達してしまう。 追走する立場の森山と大川にとっては、いささかヤキモキした状態が続いている。 そんなターゲット黒田に「リーチ」という名のプレッシャーを与え続けてくれ、しかも少々のアガりでは追いつかないほどの傷を負った存在、それが猿川なのだ。 ◆ 1~3回戦、全44局でのリーチ宣言回数(宣言牌がロン牌だったものも含め)は… 大川11回・森山11回・猿川12回・黒田13回と、ほとんど互角。 しかし、先行リーチの数になると猿川が圧倒的に多く、また全局におけるシャンテン数の対比でも、猿川が他より最も早い手牌進行となっている。東1・東2と黒田→猿川という、追う3者にとって理想的な展開が起こる。 しかし、これは決して卑屈な放銃ではなく、むしろ猿川に真っ向から立ち向かう姿勢を崩さなかったゆえのもの。 考えてみれば、今年還暦の黒田にとって

archive.ma-jan.or.jp

しかも、麻雀マスターズ、その獲り方がすごかった。

全6回戦中3回戦が終了した時点でトップ目とは200ポイント、実に20万点以上の差がついていたのだ。

当時、古橋崇志(日本プロ麻雀連盟)が猿川に行ったインタビューにはこう書かれている。

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首位との差は約200ポイント。

「もう猿川の優勝はないな・・・」

会場内もそんな空気に包まれる。

しかし、この男は私に向かって笑いながらこう言った。

「ここから3連勝だから。」

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そして、猿川はその後本当に大トップでの3連勝を決め、ハナ差で差し切って優勝を決めた。

そこから、猿川はトップリーグのA1まで駆け上がり、一躍プロ連盟を代表する選手にまで登り詰めたのであった。

実は、昨年からRTDマンスリーリーグに出場している佐々木も、白鳥も、滝沢さえも、A1リーグに上がったことはない。彼らでさえ見たことのない景色を、猿川は見ているのだ。


そんな猿川は、昨年行われた麻雀プロ団体日本一決定戦にも出場し、プロ連盟の優勝に貢献している。

その開始前アンケート「どこの団体がライバルですか?」という質問に対しては、ほとんどの者が「全部」または「なし」などと無難に答える中、猿川は「RMU」と名指しした。

今回、予選BLACK DIVISIONでそのRMU代表多井と同組とあっては、尋常ならざる気合が入るというもの。

団体戦では、多井を相手にトップを獲っているが、果たして長期のリーグ戦ではどうか。


そんな猿川は、上記2つの観戦記にもあるように、自由な発想が持ち味。

まったくもって掴みどころがない柳のような打ち手だ。

団体戦でも、白をポンしてここからあっさりドラの6sを打っていくと、最終的には9sが新ドラになって倍満ツモ。

あまり窮屈に形を決めたくないというのが、猿川の信条だ。


なお、プライベートでは、先日第1子が誕生した猿川。

パパのかっこいいところを見せるしかあるまい。


発想と打牌について、非常に掴みどころのないセンスを持っている猿川だけに、試合後のインタビューにも注目していただけると、より一層面白さが増すだろう。

猿川の自由な攻撃センスに心酔せよ。


鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)

藤田晋 invitational RTDリーグ

トッププロを招聘した長期リーグ戦「藤田晋 invitational RTDリーグ」。BLACK・WHITEの2リーグ戦を経て、準決勝・決勝にて年間チャンピオンを決定。AbemaTV麻雀チャンネルにて独占放送中のオリジナル番組です。

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