「準優勝の価値」 RTDマンスリーリーグ2016を終えて

今年1年間で合計138試合かけて行なってきた「藤田晋invitational RTDマンスリーリーグ」がついに幕を閉じました。


私の他に14人の現役最強クラスのトッププロを招待し、BLACKとWHITEに分かれリーグ戦を行い、セミファイナル進出で半分脱落、ファイナル進出で半分脱落、最後に残ったのは、瀬戸熊直樹プロ、多井隆晴プロ、佐々木寿人プロ、そして私という顔ぶれでした。


しかし、8戦で行なわれたファイナルの舞台はまさに多井プロの圧勝劇。2万5千点持ちオカありのトップの価値が大きいルールで初日にまさかの4連勝、そのまま大差をつけて逃げ切られました。


多井プロはこれで「麻雀日本シリーズ」連覇に続いて今年団体の垣根を越えたチャンピオンを決める戦いで2冠。もう多井プロが現役最強ということで誰も異論はないでしょう。対戦した私から見れば、多井プロの強さは「隙がない」という言葉に尽きるのではないかと思います。自ら「自己否定と自己管理」という言葉を掲げていますが、決して奢ることなく相手が誰であれ油断もしない。麻雀日本シリーズの時、所詮はアマチュアと考えず私の麻雀を真剣に研究していたのは多井プロだけだったと思います。もちろん技術力の高さもさることながら、攻撃力、守備力、アイデア、精神力、経験値、勝負勘、全てにおいて現役最強と呼ぶにふさわしいプロです。


さて、私はこの大会、日本シリーズに続いてまたもや準優勝でした。トッププロを集めて不遜な考えであることは分かっていますが、私も自分が一番強いことを証明すべくこの1年戦ってきました。しかしファイナル最終日、まさかの5連勝めを許し、残り3戦となった時点で照準を準優勝に切り替えました。20万点トップを取ればとか、ダブル役満をアガればとか、あまりに可能性が低いことを追うよりも、現実に狙える順位を狙うべきだと私は考えます。2~4位の賞金は1着順で20万円違いました。麻雀のタイトル戦は優勝以外にはあまり価値がないとされていることが多いですが、ゲーム性を損なわないためにも銀メダル、銅メダルという考え方は必要だと思います。


私はこのメンバーの中で準優勝したことを誇りとし、プロフィールにも「RTDマンスリーリーグ2016準優勝」と追加することにしました。



株式会社サイバーエージェント代表取締役社長

2014麻雀最強位・麻雀日本シリーズ2015準優勝・RTDマンスリーリーグ2016準優勝

藤田晋


近代麻雀 2016年12月15日発売号に掲載 「仕事が麻雀で麻雀が仕事」

藤田晋 invitational RTDリーグ

トッププロを招聘した長期リーグ戦「藤田晋 invitational RTDリーグ」。BLACK・WHITEの2リーグ戦を経て、準決勝・決勝にて年間チャンピオンを決定。AbemaTV麻雀チャンネルにて独占放送中のオリジナル番組です。

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