調子に乗らない男、多井隆晴の日常!決勝 第1節 3回戦レポート
11/8(火)17:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDマンスリーリーグ決勝 第1節 3回戦の様子をお届けします。
対局者は、起家から順に
多井 隆晴(RMU)
瀬戸熊 直樹(日本プロ麻雀連盟)
佐々木 寿人(日本プロ麻雀連盟)
藤田 晋(株式会社サイバーエージェント代表取締役社長)
レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。
2回戦および2回戦終了時トータルポイントは↑の通り。
多井の連勝で迎えた3回戦。
さすがにこれ以上多井に走られるのはまずい。
すると、そんなことはわかっているとばかりに、3回戦連続で瀬戸熊が開局に先制。
高目の東をツモって1300・2600。
多井にオヤかぶりさせる。
しかし、多井もすぐに反撃。2巡目にこのリーチをかけていく。
だが、こういうリーチを一人旅にさせないのが今回の決勝メンバー。
今局では、藤田が押し切ってこのリーチまでたどり着くと、安目ながら6mを引いてウラ1の1000・2000で多井のリーチをかわす。
その後、なかなか決め手が出ないまま、南1局を迎えると、ここで高打点のテンパイを手にしたのはオヤの多井。
絶好のドラ引きでダマテンに構え、誰が掴んでも打ちそうな2mで18000を狙った。
ここに、瀬戸熊がリーチで対抗する。
すると、多井も9sをツモ切ってリーチを宣言。
そして、両者のアガリ牌3m一発ツモで決着。
ツモったのは多井。
これがウラ3となり、望外の6000オールとなる。
多井は言う。
多井「リーチが入っていなかったら9s単騎に替えていたかもしれなかった」
― 3m、瀬戸熊さんにアタリですよ。
多井「ほんと?やっぱ、あれ3m6mなんだ?じゃー放銃だったかも。ちなみに、リーチが入る前だったら、3mはツモってもアガらずツモ切ろうかなとも思ってたんだよね」
つまり、瀬戸熊のテンパイがこの巡目でなければ、もしくは多井に来た9sが1巡早ければ、この6000オールは生まれず、高確率で失点していたことになるのだ。
多井のバランス感覚が鋭いのは前提として、多井の選択がことごとく針の穴に糸を通すように高打点で仕上がる。
何やら、非日常的な順風に乗っているように見える。
しかし、そんな望外の結果にも浮かれることなく、多井は日常生活を営む。
続く1本場、まずは西家の佐々木が西、6pと2つポンしてこのテンパイ。
4m7mの両面マンガンに受けず、5m切りでトイトイのハネマンテンパイに受けた。
そこに、またしてもやってきたのは多井。
強烈な1p4p待ちテンパイが入り、ダマテン。
そして、佐々木がアガリ逃がしとなる4mをツモ切った直後、これを咎めるかのように多井がツモアガリを決めた。
テンパイ即ツモの4000オール。
ところで、「これはリーチではないのか?」と思われた方もいたのではないだろうか。何しろ私もその1人であるため、多井に尋ねてみた。
― あの1p4p、リーチしないんですね?
多井「そうだね。ああいうのを調子乗ってリーチすると、絶対どこかでラス引くから。ぼくはああいうのリーチできないんだよ。それに、ヒサトの現物で4p切る人がいるかもしれないし、ヒサトがトイトイで1pトイツかもと思ってたからね」
つまり、このダマテンは多井の日常なのだ。
これだけの追い風を受けながら、ただ淡々と日常生活を続ける多井。
普通のプレイヤーならば、その追い風に飛ばされ、地に足がつかなくなるところだが、多井は違う。
実力と順風の区分。
その客観的視点が、多井を支える原点なのかもしれない。
これでダントツになると、南3局でも平常運転。
南ポン、8mチーでテンパイを果たすと、生牌同士のシャンポンに受けず、1枚切れのペン7p待ちに受ける。
すると、ヤマに3枚残りの7pを引いて1300・2600。
さらに持ち点を積み上げ、3連勝を決めた。
とはいえ、やはり「順風が過ぎる」と思っている多井の表情は冴えない。
多井の日常が、非日常の順風さえもコントロールし始めた。
鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)
■次回放送(決勝最終節):11月23日(水・祝) 16:00~ AbemaTV麻雀チャンネルにて
0コメント