顔はシャープに手牌は平たく!三色同刻でわかる内川の充実ぶり! RTDリーグ2018セミファイナル3日目レポート
10/6(土) 15:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDリーグ2018セミファイナル3日目の様子をお届けします。
レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。
▼▼▼1回戦:大三元よりレア!?そんな三色同刻で内川が充実のトップ!▼▼▼
セミファイナルも折り返し。後半の3日目に突入した。
ここで珍事件が起きる。
三色同刻という珍しい手役が1日に2回も飛び出したのだ。大三元より出現率が低いと言われることもあるほど珍しいのにもかかわらずだ。
1回目は内川。
初戦の開局で内川にしては珍しく遠いところから仕掛け始めると、發・ホンロウ・トイトイ・三色同刻の3,000・6,000。
これ以上マイナスできない内川にとって最高のスタートとなった。
実はこの手牌、南の重なりを逃し、最速のアガリを逃した格好になっている。選択は1pと發をポンした後のこの場面。
打点が大幅に下がるため9mへの7mや8mといったくっつきを見る必要がないことを考えると、全体的に字牌が安いことも相まって、ふっと9mを打ち、南と白を残してしまいそうなところではないだろうか。
しかし、内川は、きっちり南を打ち出した。こうしておくと、仮に9mが重なって打白としたときに、ピンズのホンイツが本線に見える可能性が高く、9mが死角に入りやすいのだ。
一方、南を残した場合、南が重なって打白としたときには、ピンズのホンイツに絡む南がケアされる牌となる。
結果的に南の重なりを逃す形となったが、開局早々の仕掛け出しとこの9m残しを見て、今日の内川は出来がいいと感じた。
すると、オーラスで勝又をまくり、5万点オーバーの大トップを取ってみせる。
これで最下位から一気に決勝進出ボーダーまでワントップというところまでやってきた内川。
ほっと一息。表情からも充実ぶりがうかがえた。
▼▼▼2回戦:噂の三色同刻が2半荘連続で出現!?▼▼▼
この9,600、白鳥の先制リーチが入ってから仕掛け始めたというのだから実に佐々木らしい。
鋭さと図々しさが同居する打ち手、それが佐々木であろう。
その佐々木が連荘でトップ目に立ったとき、事件が起きた。
たろうに9の三色同刻が見える配牌が入ったのである。
これは、まさかの2半荘連続三色同刻か。
そして、いつも通り元気よく1mポンから仕掛け始めると、佐々木のリーチをかわしてツモアガリ。
トイトイ・三色同刻・サンアンコで・・・
チンロウトウ・・・
2半荘連続の三色同刻は霧の中に消え、代わりに幻の役満チンロウトウが出現した。
決勝当確ポジションにいても、一切流し運転などせず、最善を尽くし続けるたろう。どんなところからでも魅せてくれる男である。
こういったアガリでラスからトップに浮上しても表情が変わらないのがたろうの持ち味。
タンヤオドラ1でもツモりましたよとでも言いだしそうな表情で落ち着いている。
しかし、トップは再逆転を果たした佐々木。
こちらも役満オヤかぶりから再逆転したのに表情を変えず、淡々と次戦を見据えた。
▼▼▼3回戦:顔はシャープに手牌は平たく!内川が連勝で5人抜いて決勝進出圏内へ▼▼▼
オヤ番での連荘で大トップ目に立った内川だったが、私が気になったのは派手なアガリよりかわし手の手順である。
アガって局を消化すればいい局面、果たして何を切るのがいいだろう。
いったんペンチャンを外して柔らかく構え、タンヤオへの振り替わりも期待する8p9p落としがマジョリティなのではないだろうか。
一方、まっすぐ打つならイーシャンテンに構える打4pか。
少しひねって打8mとし、ペン7pのフォローを活かしながらいったん平たく構えるというのも一考に値する。
内川の選択はというと、打3s。
確かにこれもある。リャンシャンテン戻しの中でも、唯一の雀頭候補を消して最も平たく構える1打である。
リャンシャンテンぐらいからでは雀頭を作るのが難しいため、唯一の雀頭を消す選択は基本的にされないことが多い。だが、ペンチャンやカンチャンなどのネックが多いこの手牌ではターツ選択でのロスが大きすぎるため、いったん打3sとして広く受けてしまうのも確かに有力だ。
結果はピタリ。
ペン7pを引いた後に6m引きで雀頭ができ、勝又の2sに間に合わせた。
顔は全く平たくない凹凸がはっきりしたイケメンなのに、手順は実に上手に平たく受けていく。
本日を最下位でスタートした内川が、5人抜きでついに決勝進出圏内まで到達した。
▼▼▼4回戦:ポイントを失った白鳥、再浮上の翼だけは失わず▼▼▼
トータルがちょうどゼロになった白鳥。タイムリープでもしてポイントがあった頃からやり直したいところだが、まだそうできないのが2018年の技術力。
逆境でも1から始めるしかない。ここから始めましょう!1から・・・いいえ、ゼロから!
まだ東2局とはいえ、ラス目のオヤ番8巡目の先制テンパイならばリーチといきたくなるところだが、白鳥は冷静だった。
打8mでテンパイを外していく。
ドラ5mの受け入れを拒むかのような小林の7m9m外し、猿川の役牌からの切り出しなど、一見フラットに見える水面に、白鳥の目はしっかりと波紋を映し出していた。
すると、すぐに猿川からリーチがかかり、その一発目。
6mはスジなのだが、切るとドラ受けが消える。また、2sを残してもフリテンのため待ちは作れない。
白鳥は無スジの2s切りを選択。カン5mのリーチなども残した攻撃MAXの手順である。
そして、5pを引くと、4p7pでリーチ。
その後、瀬戸熊からも追いかけリーチが入り、3人リーチとなる。つまり、「この局はカン7mという愚形リーチでは勝負にならない」という白鳥の読みが正しかったことになる。
ここでは猿川にめくりあいで負けたが、この読みと対応力が白鳥の浮力。ポイントは失ったが、その翼までは失っていないことがわかった。
4p7pリーチまでたどり着くプレイヤーはいるかもしれないが、白鳥と同じ切り順にできる意志のある打ち手は多くないと感じる。
すると、こんなトイトイドラ2のマンガンツモを皮切りに、12,000、8,000とアガってトップ逆転。
白鳥が、なんとか戦線に踏みとどまるトップで望みをつないだ。
▼▼▼5回戦:ふわっと打たない白鳥、2連勝で再浮上▼▼▼
さて、何切る?
好形リーチになりやすい2pをふわっと切ってしまう打ち手もいるのではないだろうか。
ところが、場を見ればわかるように、8mが2枚切れ。それを踏まえると、5mを引いても5m8mではなく3m6mでリーチできれば十分であるため、白鳥は打7mとした。
ドラ1あるため、ペン3pリーチなどでも構わないという意識もあったろう。
このように、決してふわっと打たないのが、水面の状況にピタリと合わせて飛ぶ白鳥の対応打法。
すると、構想通り5mを引いて3m6mでアガリ切った。
また、トップを競っているオーラスでも同じような選択。
一見するとツモ切りでよさそうだが、1m2枚切れで2m引きがそんなにうれしくないため、3mの価値が4m引きのほぼ1点に絞られている。
であれば、1pを残した場合の2p引きと同等であり、ピンズではイーペーコーができる分、ピンズ残しが有利になる。
そこで、白鳥は打3mとしていった。
すると、構想通りピンズでイーペーコーができ、3,900を勝又からアガって連勝を決めた。最後のターツ選択も見事だったが、ドラそばの4sから切って7s周りにアガりやすさを求めた孤立牌4sと7sの比較も抜け目なかった。
内川・白鳥が連勝で一気に決勝進出圏内へ。
連勝で波に乗る内川・白鳥はこの位置を守り切れるのか。
セミファイナルも残すは最終日の5回戦のみ。
鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)
■次回10/14(日)15時から、セミファイナル最終日をAbemaTV 麻雀チャンネルにて生放送予定
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