供託によだれを垂らす白鳥の直線的な手順!小林の迂回的な手順! RTDリーグ2018 WHITE DIVISION 11-12回戦、BLACK DIVISION7、8回戦レポート

2/26(月)および3/1(木)21:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDリーグ2018 WHITE DIVISION 11-12回戦およびBLACK DIVISION 7-8回戦の様子をお届けします。

レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。


▼▼▼WHITE 11回戦:和久津の得点意識▼▼▼

この半荘、結果的には和久津の大トップとなるのだが、試合後に和久津は「5万点ぐらい取りこぼした」と語った。

どの辺りが取りこぼしだったのだろうか。

南2局、平賀のリーチに対してイーシャンテンから押していった和久津が、テンパイ即ツモで4000オール。

平賀が7sを切っており、打1sで4sがスジにかかるため、ダマテンとした。

通常、これだけ押せば他家はテンパイだと思って4sを止めるが、イーシャンテン押しも多い和久津だけに、他家からはノーテンの可能性もあるため、アガリ率優先でダマテン有利に見える。

結果は一発ツモで、リーチしていれば6000オールになっていたが、これは取りこぼしに見えない。


続いて、1本場のこの手牌。

またも平賀のリーチに対し、3pから無スジを並べ始めた和久津に、待望の三色テンパイが入る。

当然の5p切りリーチかと思われたが、和久津は2p切りのダマテンを選択した。

結果、これまた一発ツモ2sで700オール。

5p切りリーチなら6000オール以上だったのだが、こちらは取りこぼしと言っても良さそうだ。

3pが4枚見えであるため、2pはほぼアンパイ、一方の5pは無スジ。

しかも5pは、ただの無スジというわけでなく、6pや7pが現物なのに打たれていない無スジなのである。

そのため、6p7pが手牌に組み込まれた5p8pが脳裏に浮かぶ。

和久津もこの5pの危険度を評価して2pを切ったのだが、未開拓の無スジはそれなりに残っており、和久津が評価したほどには危険度が高くなかったように思う。

対局後、和久津も悔いが残る表情を浮かべた。


とはいえ、一方で、和久津にしか拾えないアガリもあった。

2本場でまたも平賀のリーチを受けた和久津。

ドラ2の勝負手なのだが、一発で無スジの1pを引く。

下家の猿川もピンズのホンイツで仕掛けており、1pは危険牌。

1本場での安全策を見れば、いったん現物の5s辺りで回りながらオリに向かうのかと思ったが、和久津は一発目に1pで真っ向勝負とした。

煮詰まったド終盤で、無謀と紙一重のイーシャンテン押しである。

そして、1sをチーすると、最後の2mを引いて2600オールを決めてみせた。

こんなアガリを見せてなお、「取りこぼした」と言うのだから、和久津の高い得点意識には恐れ入る。



▼▼▼WHITE 12回戦:達也、初トップにほっと一息▼▼▼

南3局に達也が、石橋のリーチに対して気合を込めて追いかけた。

ここまでトータルでマイナスを積み重ねてしまっている達也、昨年の負け方がよぎるが、ここではしっかり踏みとどまる。

石橋から一発で打ち取り、8000。

これでトップ目に立つのだが、オーラスに石橋からリーチがかかってしまう。

ツモればトップ逆転である。

達也からすれば、「おいおい、勘弁してくれよ。またトップまくられるのかよ」である。

そんな達也に助け船。

たろうからリーチが入った。

達也としては「よし!がんばれ、たろうちゃん!」だ。

そして、たろうがツモアガリを果たすのだが、開けられた手牌を見て愕然とする。

リーチ、ツモ、タンヤオ、ドラ2で5翻だ。

ということは、ウラが3枚乗るとトップ逆転である。

達也のトップ確率は97%ほどなのだが、それでも数々の不運をRTDリーグで味わってきた経験が、達也の脳裏に浮かぶ。

やめてくれよ・・・

めくられたウラドラ表示牌は8m。

苦労して掴んだ初トップに、達也はほっと胸をなでおろした。



▼▼▼BLACK 7回戦:勝ちたければ供託によだれを垂らせ!白鳥の直線的な鳴き▼▼▼

別DIVISIONにも関わらず、初回放送で解説平賀に「白鳥くんとか、供託があるとよだれ出てますからね」とイジられた白鳥。

トップを争う南3局で供託2本とあらば、当然1枚目の中から仕掛けていく。

すると、次のアクションが興味深かった。

リャンシャンテンからリャンシャンテンへ、シャンテン数の変わらないポンである。

これは、わかっていてもなかなか声の出ない4pポンではないだろうか。

解説席にいた鳴きの名手小林でさえ、解説を聞く限りでは想定に入っていなかったように思われた。

3p6pの2度受けより、5m周りに変化を求めたほうが早く、その早さのために手牌を10枚から7枚にする価値がある。

それが白鳥の出した結論だった。

実際には、予想外にソウズが伸びて決着するのだが、供託のある勝負所で見せた白鳥の直線的にアガリに向かう決断に驚嘆した。



▼▼▼BLACK 8回戦:小林の1手先を見た迂回的な手順▼▼▼

この手牌をもらったら、どういうアガリを想像するだろうか。

役牌の東とドラ9sを3枚ずつ使ったこんなアガリではないだろうか。

567m23488999s東東東

したがって、ここでの選択は打2sとし、1枚切れている3s受けを外しにいくことになる。

一方、仕掛けの名手小林は、ここから8sを打っていった。

小林「8s9sが出にくく、あまり期待できないので、12234sの部分に変化を期待した」

つまり、2sや5sや6sといった1手先の手替わりを見た迂回的な1打なのである。

また、小林は付け加えた。

「もしオヤの仕掛けがなかったら、打8s直後に打たれたドラはポンするかもしれない。今回はすでにオヤの仕掛けが入っていて、ドラポンしたら東がかなり出にくくなるのでしないけど」

つまり、ドラポンして役なしテンパイに受け、1s2s4s5sの重なりに期待するという変化も見込んでいたわけである。

今回は、ダイレクトにカン3sがチーできたため変化がなかったが、変化を見た迂回的な手順が、トップ目からの3900直撃を呼び込んだ。


トップ争いの行方はというと、内川の粘りによって4000点差の中に4者がひしめく大混戦となっていた。

内川の攻撃を受け続けている中でも、一切慌てずに守備を固めていた瀬戸熊が、ようやく入った勝算あるテンパイでリーチに出る。

すると、小林がアンパイのないこの形から、5sのワンチャンスで4sを打って瀬戸熊に1300。

接戦では十分な加点で瀬戸熊がトップをもぎ取った。


2着は小林。

オーラス、3着を拾いにいったリーチを内川からアガると・・・

なんとウラ2で5200。2着までいってしまった。

なんともしぶとい男である。

小林が両DIVISIONで唯一の3桁プラスをキープしている。


鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)

■次回3/5(月)21:00からBLACK DIVISION 9-10回戦をAbemaTV 麻雀チャンネルにて放送予定


藤田晋 invitational RTDリーグ

トッププロを招聘した長期リーグ戦「藤田晋 invitational RTDリーグ」。BLACK・WHITEの2リーグ戦を経て、準決勝・決勝にて年間チャンピオンを決定。AbemaTV麻雀チャンネルにて独占放送中のオリジナル番組です。

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