大逆転を目指す多井vs猿川の粘り! RTDリーグ2017 BLACK DIVISION 最終節 53、54回戦(最終戦)レポート

8/7(月)21:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDリーグBLACK DIVISION 第9節(最終節) 53、54回戦(最終戦)の様子をお届けします。

レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。

前回までのポイントはこちら↓

長期の予選も、いよいよ最終2半荘を残すのみとなった。

53回戦では、規定により、トータル1、2、7、8位という卓組となる。

7位8位の藤田・滝沢は、現実的に準決勝進出が難しいが、一矢報いるべく牌を握る。

ところが、ここでも快調に飛ばしたのは首位の佐々木だった。

カン2s一発ツモのハネマンからスタートすると、オヤ番ではダマテンで18000。

あっさりダントツになってしまう。


しかし、ここから藤田が盛り返す。

南3局の倍満で佐々木に迫ると、オーラスのオヤ番では佐々木の追いかけリーチを振り切って4000オール。

なかなか牌勢に恵まれない厳しいシーズンだったが、藤田が最後は大逆転のトップで締めくくった。


最終54回戦の卓組は3、4、5、6位という卓組となる。

4位猿川と5位多井の差が170ポイントほど離れているため、多井の逆転条件は「猿川とトップラスを決め、さらに9万点弱の差をつける」という現実的にはかなり難しいものとなっている。

普通なら消化試合になってしまいそうなところだが、数々の逆転劇を演じてきた多井なら、そんな条件すらも超えてしまいそうな感じがするから不思議だ。


ところが、序盤から走ったのは猿川。

この手牌から2巡目にドラを放し、役牌バックとホンイツの天秤にかけると、多井・達也の2軒リーチをかわす大きな5200。

掴みどころがない猿川らしい素晴らしい手順で、下位陣に付け入る隙を与えない。


東2局も猿川が他家の攻撃をかわすダマテンで、あっさり多井のオヤを流した。

東3局では、猿川のリーチに多井が東ポンのトイトイで対抗するが・・・

結果は、猿川がツモってウラ2のマンガン。

多井にとっては、最悪の状況である。

しかし、それでも諦める理由はない。

そして、次局の1巡目、多井が長考に入った。

無難な切り出しなら打1sだが、チャンタや三色、ホンイツといった手役も逃すことができない。

多井の選択は打4s。

三色なら123で、1sがあれば問題ないということだろう。

ここで、6sではなく4sを切った選択が、後に奇跡を起こす。


一方、ダントツになった猿川は、自由に攻めていく。

なんと、カン6sで即リーチ。

周りを押さえつけての一人旅を狙った。


これに対し、立ち向かえるのは1人だけ。

多井である。

多井は、2巡目以降はツモに従って自然な手順で進めていった。

そして、6sをアンコにすると、猿川のリーチに対してドラそばの7sを勝負し、ツモ8m。

こうなれば、当然3p4pを払い、真っ向勝負。

すると、次巡・・・

8mを引き入れ、リーチといった。

直撃でもハネマンであり、ツモれば役満のオヤかぶりさせることができる。

これをツモっても、条件を満たすのは難しいかもしれない。

それでも、これはツモりたい。

普段から、とにかく視聴者に楽しんでもらえるコンテンツを作ることを心掛けている多井は、これを絶対ツモりたいはずなのである。

「どう?ドキドキするでしょ?麻雀、楽しいでしょ?ねえねえ、面白いでしょ?」

多井が1牌ツモるごとに、いつもの笑顔でそう語りかけているように見え、少し笑ってしまった。

わかったよ。もういいよ。もうツモっちゃえよ。

そう思ったとき、多井は7mを引き寄せていた。

BLACK DIVISION初の役満は、エンターテイナー多井隆晴の鮮やかなスーアンコ。

これで猿川の点数を削ることに成功した多井だったが、猿川の点数がいかんせん多すぎる。

逆転するためには、南場のオヤ番でアガり続けるしかない。


その多井がオヤで先制リーチ。

すると、終盤に猿川がドラ表示牌の2sを叩き切った。

空気が一変する卓上。

何事か、と猿川の河に注目が集まる。

この2sを押せる打ち手がどれだけいるだろうか。

ドラ3とはいえ、自身は役ナシのフリテンで残りは2巡。

安全な7p8p辺りに手がかかりそうだ。


さらに卓上を凍り付かせたのは、達也のリーチだった。

国士の白待ちで、猿川をオリさせるべく、きっちりリーチをかける。

これまた、達也らしい鋭い選択で、胸が躍る。


そして、直後、「ツモ!」・・・

多井の待ちも、達也の待ちも、ヤマに残っていた。

もし、猿川が決死の覚悟でテンパイを組んでいなければ、どうなっていたか全くわからない。

猿川の驚異的な粘りが、大逆転という奇跡の芽を的確に刈り取った。

と同時に、昨年度王者・多井の今シーズンが終わりを告げた。

これで準決勝進出者8名が出そろった。

準決勝は、このポイントを半分持ち越して全20回戦を行い、上位4名が決勝進出となる。

開幕戦は8/12の14時より、AbemaTV麻雀チャンネルで生放送!ぜひお見逃しなく。


鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)


■次回8/12(土)14:00から準決勝1日目をAbemaTV 麻雀チャンネルにて生放送予定


藤田晋 invitational RTDリーグ

トッププロを招聘した長期リーグ戦「藤田晋 invitational RTDリーグ」。BLACK・WHITEの2リーグ戦を経て、準決勝・決勝にて年間チャンピオンを決定。AbemaTV麻雀チャンネルにて独占放送中のオリジナル番組です。

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