ブレない達也の慎重な強さ! RTDリーグ2017 BLACK DIVISION 第6節 31、32回戦レポート
5/25(木)21:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDリーグBLACK DIVISION 第6節 31、32回戦の様子をお届けします。
レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。
30回戦終了時のポイントはこちら↓
31回戦、ここまで牌勢に今一つ恵まれなかった猿川が、憑き物が落ちたかのようにアガりまくる。
まずは、オヤで中をポンして高目ダブ東ツモの2600オール。
続いて滝沢の追いかけリーチを振り切り、安目ながらツモアガリ。
そして、南3局にピンフドラ2をリーチで引きアガり、マンガンでトップを決めた。
ここまでの煮え切らない展開を払拭しての快勝に、猿川に安堵の笑みがこぼれた。
32回戦には、猿川と同じくここまで低調な達也が登場。
その達也が、思わぬところで長考に入った。
手順でいえば当然の8s切りなのだが、1sと2sが2枚ずつ切れている。ピンズのイッツーにするなら、ソウズに求めるのは雀頭であるため、2枚切れた牌の機能は低いというわけだ。
しかし、ドラ1あるため、ペン3sを引くことも考えると、マジョリティはやはり打8sということになるだろう。
達也の選択は2s切り。
この手に愚形ドラ1リーチを見ず、あくまでイッツーという構想だ。
これが鈴木達也である。
一見すると大胆に手役を追う選択をしていく。
しかし、私の達也に抱く印象は大胆とは全く逆。
すなわち、達也ほど慎重な打ち手はいないと思うのである。
一見大胆に見えるこういった選択も、実は「十分な形からしか勝負したくない」という、非常に守備意識の高い選択なのだ。
それゆえ、私は、世間からのイメージとは逆に、達也に対して慎重というイメージを抱く。
その達也が、次局に白をポンしてテンパイを組む。
テンパイ打牌が直前に切られた5pで、かなりポンテンの可能性が高そうな捨て牌になっている。そして、次巡に1sを引くと、迷わずアンカンした。
手牌の主が達也であることを考えると、これはもう9割以上テンパイなのではないだろうか。
その直後の滝沢。
滝沢も非常に慎重な打ち手であるが、その滝沢がノーテンから5sを打って達也に8000の放銃となった。
トータルでマイナスしているとはいえ、この放銃はさすがにやりすぎな感がある。
それほどまでに、マイナスを背負っている事実は重い。
しかし、一方の達也は、マイナスを背負っているにもかかわらず、驚くほど静かに、慎重で居続ける。
オヤ番でテンパイを果たし、6sアンカンでリーチといったのだが、イーシャンテン時に6sをカンしていないのが達也らしい。
リンシャン牌がテンパイする牌の場合、その後に出アガリのアガリ逃しがあり得るため、イーシャンテン時にアンカンするのが主流だと思うが、達也はこの手牌では、アンカンするのに不十分と判断した。
また、6sを先にアンカンすることで、機能が低下した7sがテンパイより前に切られてしまうことを避ける意味合いもある。
そして、構想通りペン7sでテンパイするとリーチし、平賀からトイツの7sを一発で引き出して9600。
いつも通りの慎重な判断で達也が他家を引き離すと、続けざまに滝沢から8000。
さらに、ドラポンで白鳥から8000と、ダントツになった。
そんな状況で迎えた南3局、まずは滝沢がリーチ。
これに対する達也。
先にメンホンテンパイを入れていた達也が、雀頭をアンコにしてツモリスーアンコのテンパイを果たした。
リーチをかければ出アガリ18000が24000になるのだが、このダマテンを見て、ここまで慎重なのかと感嘆した。
打点は十分である。ならば、少しでもアガリやすさを追求しようというわけである。
結果、勝負をかけた白鳥の追いかけリーチに放銃となってしまうのだが、鈴木達也の慎重さを存分に見せつけたトップで2連勝を決めた。
対局後、「あのスーアンコはアガりたかった」と悔しそうな表情を浮かべたが、窮地からの2連勝には、うれしさのほうが大きかったように見えた。
鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)
■次回5/29(月)21:00からBLACK DIVISION 第6節33、34回戦をAbemaTV 麻雀チャンネルにて放送予定
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