NEOリーチ超人への階段を登る村上! RTDリーグ2017 WHITE DIVISION 第2節 9、10回戦レポート
3/6(月)21:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDリーグWHITE DIVISION 第2節 9、10回戦の様子をお届けします。
レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。
9回戦の対局者は、起家から順に
内川 幸太郎(日本プロ麻雀連盟)
石橋 伸洋(最高位戦日本プロ麻雀協会)
村上 淳(最高位戦日本プロ麻雀協会)
瀬戸熊 直樹(日本プロ麻雀連盟)
8回戦終了時のポイントはこちら↓
まだ序盤であるため焦ることはないが、最下位に甘んじている村上。
なんとか挽回したいところだが、内川・石橋に放銃したラス目の瀬戸熊からオヤリーチがかかってしまう。
受けに回っていた村上、ドラの7mを引いて手を止める。
生牌ながら、シャンポンか単騎にしか当たらない7m。これまでの村上ならほぼオリる局面だと思われる。
しかし、瀬戸熊の第1打9mからトイツは薄いと感じていた村上は、瀬戸熊に対する人読みで単騎もあまりないと考え、ノーテン罰符を取るためにドラを叩き切る。
これは、昔の村上にはなかった打牌に見えた。
村上「昔はもう少しノーテン罰符を軽視していたが、さらなる進化のためには、ノーテン罰符がかなり大事な要素だと思っている。そこで、最終巡目でのテンパイ取りは読みを信じてかなり取るようになった。昔よりも手牌読みの精度も上がっていると感じているので」
なるほど。
とすると、やはりこれは村上が進化している過程なのだろう。
しかし、ここは瀬戸熊が最終手番で4000オールをツモアガり、押しも空しく村上が1人置いていかれる展開となってしまう。
それでも、2本場供託2000点で、カン7mをチーしてあっさりテンパイを組むと、次巡に瀬戸熊の6sを捕えて2000。
ラス目でも門前にとらわれず、冷静に供託を回収する。
すると、南1局でも変貌を遂げた村上を見せる。
残りツモ1回でテンパイした村上。
ラス目ということも加味すれば、得意の「リッチ」を想像した視聴者も多かったのではないだろうか。
ところが、村上はここからテンパイ取らずの2pツモ切り。
この意図を村上に聞いた。
「まず、内川が50%ぐらいテンパイしていると思っているのが前提。内川はこのメンバーの中で最もダマテンが多いし。
そんな中、4枚持ちの3pを切るとテンパイだが、もう1回ツモ番があるのが難点。ツモアガリの可能性も少しはあるが、ほぼアガリはないと思っていたので、テンパイ確定でもないところで3p切りはやりすぎかなと保留の2pとした」
いかがだろうか。
去年までの村上なら、これらの危険をわかった上で、「リーチの打点上昇」というメリットを優先し、リーチにいっていたのではないだろうか。
しかし、今は、それよりも「自分の読み」を優先しているのである。
そして、次巡には、一転して6sを勝負し、テンパイを組む。
「前巡にテンパイを取らなかったのに」と、一貫性がないように思えるだろうか。
実のところ、それは違う。
「アガリがない」という前提であれば、ツモ番1回残りとツモ番なしでは、テンパイを取れる確率が違う。
ツモ番なしでは、逆に勝負する価値ありというのが、村上の線引きだった。
読みに封じ込められるだけでなく、きっちり前にも出られる。
これが、進化したNEOリーチ超人・村上のバランス感覚である。
ここでテンパイを取り切った村上は、ラス目ながら、自身のオヤを最善の点数で迎えた。
すると、得意のリーチで4000オール。
続いてドラ待ちカンチャンリーチで2600オール。
一瞬でトップ目に立ってみせたが、オーラスではこの配牌。
絶望的なこの配牌だが、チートイツ1本で丁寧に打ち進め、ほぼノーミスでトップを決めた。
昨年度、優勝した多井の戦いを観た村上は言った。
「多井さんの麻雀を観て、できることがまだまだあることがわかった」
そして、今、一段先の自分へ、歯を食いしばり、手探りで階段を登ろうとしている。
続く10回戦では、東1局で南家小林が無難にダマテンを選択すると、ドラのほうをツモって2000・4000。
昨年度準優勝の藤田にさえ「点棒を持ったら本当に面倒くさい」と言わせる小林が、このリードをきっちり守り切ってトップ。
ポイントをさらに伸ばしている。
鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)
■次回3/9(木)21:00から11、12回戦をAbemaTV 麻雀チャンネルにて放送予定
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