多井の読み違いと逆襲!RTDリーグ2017 BLACK DIVISION 第2節 9、10回戦レポート
2/23(木)21:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDリーグBLACK DIVISION 第2節 9、10回戦の様子をお届けします。
レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。
8回戦終了時の成績はこちら↓
9回戦、平たい点数状況で南入すると、平賀がオヤで粘って3本場。
2mが佐々木にポンされていることなどを加味して、ここでマンズを嫌って打7mとし、直後の6pをポンしてテンパイを組むと、佐々木から2sで2900。
3本場と供託3本を獲得し、平たい状況では十分なアドバンテージを得ると、南3局、南4局をアガり切り、平賀が2連勝を決めた。
続く10回戦の対局者は、起家から順に
滝沢 和典(日本プロ麻雀連盟)
多井 隆晴(RMU)
猿川 真寿(日本プロ麻雀連盟)
鈴木 達也(日本プロ麻雀協会)
東1局1本場、滝沢の押しに、多井の読みが狂わされた。
達也のこのリーチに対し、オヤ番の滝沢が宣言牌7pをまたぐ9pを一発で手出しすると、すぐに白をポンして打4pでテンパイを果たす。
その後、滝沢は無スジの2s、1sとノータイムの連続ツモ切りで押している状況。
そんな中、多井の手牌に共通安牌がなくなった。
候補は2mか8p。
2mはリーチ達也の現物だが、滝沢の無スジ。
8pはリーチ達也の無スジだが、滝沢の現物。
長考に沈む多井。
通常、リーチの現物2mを打つのだが、オヤ滝沢の押し方が怖い。
滝沢の手牌(カン7mの2900)が見えているこちらからすると、なぜ滝沢に怯えるのか伝わりにくいかもしれないが、あえて説明するのであれば、次のようなイメージだ。
プレイヤーには、各人の打点・好形を踏まえたリーチバランスによって、属人的なリーチの基準値のようなものが出来上がる。
ほぼ高打点か好形になっている達也のリーチ基準値を仮に60点程度とすると、安手愚形のリーチを多用する佐々木の基準値は40点といったところだろう。
例えば達也と佐々木の比較で言えば、達也のリーチに対してのほうが押し返しにくいということになる。
もし、そんな達也のリーチに押し返したプレイヤーがいたら、達也のリーチ基準値60点を上回る70~80点以上の手牌である可能性が高くなる。
さらに、押し返したプレイヤーが、きっちり高打点・好形で押し返してくる滝沢だとするならば、なおさらその傾向が強くなるのだ。
つまり、「打点は5800以上で、好形になっているかもしれない」といったところまでを想像してしまうというわけなのである。
そんな滝沢に対する読みが、多井にこう思わせた。
「オヤの滝沢にだけは打てない」
その結果、7pが3枚見えていることもあり、滝沢の現物8pで達也に8000放銃となってしまう。
対局後に多井も語っていたが、正に「滝沢ブランドにやられた」読み違いであった。
しかし、ここから立て直すのが王者・多井。
前巡に待ちを5mから3mに替えると、同巡に猿川からも5mがツモ切られ、ヤマに残っている可能性と出アガリの可能性が両方高まったことにより、3m単騎でツモ切りリーチ。
ヤマに3枚残っていた3mを見事に引き当て、3200オール。
あっさり失点を取り返してしまう。
すると、1本場でもドラ切りリーチ。
ここに、前巡にマンガンのダマテンを組んでいた達也が一発で4pを掴む。
達也がこれをツモ切って、一発とウラで12000。
なんと、多井が2局でトップ目まで駆け上がった。
南場のオヤでも、猿川から8mで12000をアガってダントツとなる。
すると、1本場では、滝沢のホンイツのアタリ牌5mを押さえ切ると、すぐさまリーチで反撃。緩みない攻撃で、ドラ2のテンパイだった猿川から8sで5800をアガった。
オーラスも、3人テンパイに対して最後に追いつくと、次巡にツモって自力決着。
ついに、前年度王者多井が2連勝で首位に立った。
次回、ともに2連勝で迎えた多井と平賀のぶつかり合いに注目だ!
鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)
■次回11、12回戦は2/27(月)21:00~ AbemaTV 麻雀チャンネルにて放送予定
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