王者多井、不服のトップ!RTDリーグ2017 BLACK DIVISION 第1節 3、4回戦レポート
2/13(月)21:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDリーグBLACK DIVISION 第1節 3、4回戦の様子をお届けします。
レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。
3回戦の対局者は、起家から順に
白鳥 翔(日本プロ麻雀連盟)
多井 隆晴(RMU)
佐々木 寿人(日本プロ麻雀連盟)
猿川 真寿(日本プロ麻雀連盟)
2回戦終了時の成績はこちら↓
アガリを重ねてトップ目で東4局を迎えた猿川が、オヤ番で決めにいく1打を放つ。
周りのスピードに合っていないことを感じ取ると、ここから打7sで安全度の高い東を残す。
トップ目であるため、最高打点だけを見た、押し返し用の手組みである。
すると、猿川の読み通り、多井が同巡にテンパイ。
猿川に7sを先切りされた形にはなったが、多井はきっちりヤマに残っているペン7sでリーチにいく。
これに対し、猿川も追いついた。
正に、描いた通りの展開と最終形だったが、ここは多井に軍配。
リーチ後に4sを引いていた多井が、2軒リーチに挟まれた白鳥から7sを打ち取って8000。
猿川に根こそぎ持っていかれそうなところを、ギリギリで踏みとどまり、猿川に競りかける。
すると、南2局のオヤ番は多井の攻撃回。
ここから絶好のカン7mを残して1枚切れの3sを外すと、次巡にツモ7s。
カン7mに不満はないため、安全度なら3sだが、多井はしっかりと9sを打つ。
3sを並べて役牌トイツの匂いが濃くなってしまうのを嫌ったことに加え、このツモ↓に備えた。
ツモ4s。これなら、ドラという打点を追いながら好形を残すことができる。
カン7mからのさらなる進化だ。
ここから6mを切っていくと、すぐに1枚目の發をポンして700オール。
供託を含め、頭一つ抜け出して落ち着くには十分なアガリを決めた。
すると、多井が一気に攻め立てる。
まずは6巡目にカン6pのチーテンを組むと、白鳥のテンパイ打牌である中を捕えて5800。
続いて、猿川のリーチに競り勝って4000オール。
これで持ち点を6万点に乗せた多井だったが、オーラスには珍しい失投があった。
オヤの猿川がマンズ気配でドラの4p切り以降ツモ切りで、猿川のツモ切った發をソウズ気配の白鳥がポンしてドラの4pを切った場面。
この4pに手を止めた多井。
少考の後、5p6pでチーして打北とした。
マンズとソウズに挟まれた中、残ったピンズで仕掛け、自身の手を進めながら探りを入れにいく。確かに、手の内がピンズと字牌だけになったタイミングで、仕掛けるにはちょうどいい。
さらに、役牌ではない北からならば鳴かれても問題は小さく、2人の出方を伺うには有効な仕掛けにも見える。
しかし、これは多井らしからぬ仕掛けにも映った。猿川に対して探りを入れるのであれば、自ら仕掛けず、白鳥にもう少し自由に打たせても同じ効果が期待できるからだ。
そちらのほうが、多井の採りやすい選択だというイメージがあった。
結果、この北がテンパイを果たしていた猿川へ7700放銃となる。
これはまずい。
自身がミスをしただけなら問題ない。修正すればいいからだ。
しかし、これは「猿川にミスを誘発させられた」から問題の根が深い。
対局後のインタビューでも、多井は「猿川の色んなバリエーションの攻撃で、猿川に対するピントがズレた」と応えた。
とするならば、自身の修正だけではなく、猿川というプレイヤーに対するイメージの修正から始めなければならない。
結果として、逃げ切りはしたものの、王者として不満の残るトップとなった。
今後、王者の軌道修正に注目だ。
4回戦では、平賀のオヤリーチをかわして藤田が1000・2000を決める。
すると、仕掛けで終始局面をリードする藤田得意の展開へ持ち込んでトップ。
昨年度優勝・準優勝コンビ、多井・藤田が2戦目にして初トップを獲り、上位に進出している。
鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)
■次回5、6回戦は2/16(月)21:00~ AbemaTV 麻雀チャンネルにて放送予定
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